AIには出来ない事。

ベルギー観光局がバロック期の巨匠『ルーベンス』の絵画をFacebookに掲載したところ、何度やっても削除されてしまう、という事態に悩まされています。理由は絵画の内容にヌードが含まれる為…。

まさに、感性とか美意識という部分ですが、人工知能にはそのヌード画の芸術性の有無を判断する事は出来ません。

現在、Facebook側と協議中との事ですが、現在多くのSNSは人工知能を用いて『不適切な投稿』を削除する取組みを進めており、その中でこの問題が大きく取り上げられることになったのです。

ここは非常に難しい分野で、特に画像における裸体の芸術性の有無という物には人間の間でも意見の分かれる問題です。その傾向を把握して判断する事は人工知能には出来ません。

このように人工知能とは『解析作業』であり、その法則性や規則性を分析する事は出来ますが、そこから全く新しい物を生み出す事は苦手です。

(そもそも、人工知能とは人間の『脳』を模したアルゴリズムであり、人間の脳自体が正確に解明出来ていない現在に於いて、巷で言われる『ターミネーター論』などはナンセンスとも言えます。)

これが無い人はAIに仕事を奪われる。

まず、大前提をお話しますが、ある職業に従事するの全ての人が人工知能に入れ替わる、という事はありません。ただ、そのタスクの一部が入れ替わる事は十分に有り得ます。

(ただ、昔の国鉄の『切符切り』のように仕事自体が無くなる事は有ります。)

つまり、その仕事の中で人間と機械が、それぞれ得意な分野の住み分けを行い仕事の効率化を実現するのです。その為、今までと比べ少人数での仕事が可能になり、その中で仕事がなくなる人間は当然発生してくると思われます。

では、そこではどのような能力が必要なのでしょうか?

・創造力

人工知能は既存の事象の法則性や規則性からしか判断が出来ない為、0から1を作り出す事は出来ません。正解のある問題にしか機能しないのです。

例えば、絵や歌を造る場合に、ある程度の流行を分析する事で解を導き出す事は出来ますが、それでは同じ場所をグルグルと廻っているような物でステップアップしてるとは言えません。つまり、流行を追っかける事は出来ても、作り出す事は不可能なのです。

・リーダーシップ

明確なビジョンのもと、人を『共感』で巻き込んでいく。この高度なコミュニケーション力が必要な局面において人工知能は機能しません。

この『コミュニケーション力』こそが、AI時代において最も求められる能力であると言えます。所詮機械には『精神的支柱』には成り得ません。皮肉な話ですが、人工知能の時代でこそ『人間性』が深く問われる事になるのです。

・AI(人工知能)を活用するスキル

この先、人工知能の知識は不可欠です。特にIT分野以外の人たちがこの知識をどれだけ持つかにより、10年後の生存確率は大きく変わってきます。

現在、人工知能はまだ創成期と言えますが、今話題の『ディープ・ラーニング』を使用しない『機械学習』の分野だけでも人間より優れた能力を持つ分野は数々存在します。これは、ただのツールでは無く、使わなければ生き残れない技術なのです。

まずは、自分の仕事の中で、どの部分に活用できるかを考えなければなりません。その際に重要なのは、いかに『客観的な視点』を持てるかどうか、にあります。

それは、あなたが提案する事は、あなた自身の仕事を奪う可能性を秘めています。しかし、それはあなたが今提案しなくても、いずれ必ず起こる事だという事です。ならば、現実を受け入れ今の仕事を一段上のレベルに上げる以外にはありません。

今後、急速に社会に人工知能が進出して行く中、皮肉なのは日本の教育が戦後から何も変わっていないという事です。

学校では今も記憶力や計算などコンピュータが得意な分野での優越が問われており、答えの無い問題に関する考察が殆ど行われていません。このような教育を経て出来た『エリート』達は人工知能の時代では真っ先に淘汰される人間達です。

人工知能は人間から多くの仕事を奪い、そして新たに仕事を生み出して行くでしょう。しかし、歴史的に見てその間にはタイムラグが存在し、一時的に多くの失業者が発生すると予想されます。

人間の知性は少し過大評価されている部分も存在し、知性の多くの部分は情報を収集し、分析、そしてアウトプットを行うという一連の作業であり、これは機械学習だけでも十分に対応可能なものです。

現在の仕事において多くの部分はパターン化が可能であり、人工知能の世界では不可能とされていた人事の部分にまで、その転換が進んでいます。自分の仕事は大丈夫、ともしあなたが考えるなら、それは単に思考停止に陥ってるだけなのかもしれません。