中国では無人コンビニが続々と閉店中?

Amazon Go (無人コンビニ)が目新しさから一種の観光名所にもなりつつあるアメリカですが、無人コンビニ先進国である中国では、続々と倒産・閉店が続いています。

一時は効率的且つ、低コストで営業出来ると言われたビジネスモデルでしたが、目新しさが無くなった現在、そのモデルに綻びが出てきました。今回は、その問題点について見て行きたいと思います。

昨年辺りから、中国では『無人コンビニ』の倒産が目に付くようになってきました。且つては、多くの企業が挙って進出してきましたが、実際は、それほどの利益が確保出来ない事が分かってきたのです。

多くのカメラやセンサーを詰め込んだ『Amazon Go』と違い、中国の無人コンビニは効率性と低コストを追求して造られています。

店舗はコンテナを改造した物で数時間で設置でき、専用アプリのQRコードを読み込ますことで認証を受け、店内に入る事が出来ます。商品には電子タグが取り付けられており、それをセルフレジで読み込ませる事で計算を行い、スマホで決済をするという流れです。

出来た当初は、『Amazon Go』同様、目新しさから行列まで出来る状態で話題をさらいました。しかし、無人ならではの『コスト』が見落とされていたのです。

・高過ぎる商品廃棄率

コンビニの経営で一番のコストは『廃棄ロス』です。日本の 厳格にPOS管理された状態でさえ月に60~100万円の『廃棄ロス』が存在するのです。経営者はこれを少しでも改善する為、常時、古い商品を先頭に並べ直す対策を取っています。

しかし、無人店舗では、この作業が行われない上に、利用者が直接商品に手を触れる事によるパッケージの痛みなど、実に40%もの商品ロスが発生してしまいました。

・電子タグの取付け

無人コンビニの場合、セルフレジに商品を認識させる為に全ての商品に『電子タグ』の取付けが必要になります。

具体的には写真のようなシール状の電子タグを全商品に張り付けるのだが、この手間とコストが馬鹿にならないのです。

・商品数が少ない

コンテナを改良した無料コンビニは店舗面積が小さく、特定の商品しか置けない。見知らぬ商品に出くわすワクワク感も無ければ、必要な商品さえ無い場合がある。

また、スマホで開錠した後は、すぐに鍵が閉まってしまい精算を行うまでドアが開かない為、狭い空間がより閉塞感を感じる物となってしまうです。

・邪魔くさい

最終的にはここに行き着くのですが、上記のような弊害から価格面でのメリットを示す事が出来ず、煩わしさのみが残ってしまいます。

通常の店舗で有れば、出入りにスマホも必要ないし、レジも店員が操作してくれます。

結局のところ、有人のコンビニより優れた所が無いと利用者は使いたくない、という当たり前の結論になるのですが、『Amazon Go』にしても実際は20人以上の店員が存在している為、その建設コストも含め、かなりの高コスト体質だと言えます。

『目新しさ』は多少のカンフル剤にはなりますが、継続的な行動には結び付きません。確かにレジに並ばなくてよい『Amazon Go』は魅力ですが、隣の店舗が同じ商品を10%OFFで販売したら、多くの人はそちらへ流れるでしょう。

今のビジネスは、まさに本質が問われていると思います。テクノロジーが進化し、今まで出来なかったことが出来るようになると、あたかも凄い事のように感じてしまいます。ただ、それが利用者にとってどれだけの利便性を提供するものか?その事を突き詰める必要があるのです。

利用者にとって分かりやすいのは、『価格』と『スピード』です。このバランスを最適化する事が何よりも重要な事ではないでしょうか。