人工知能を活用した農業のイノーベーション企業。生産高は350倍に…。

グーグル、Amazon、ソフトバンクなど世界の先端を行く経営者達がこぞって投資を行う農業法人がアメリカ・サンフランシスコに存在します。

その企業の名は『プレンティ』。

彼らは、人工知能を活用する事で農業を効率化し、対面積比で350倍もの生産性向上に成功したのです。

発展途上国を中心とした爆発的な人口の増加や、新興国の経済レベル向上により、世界の食糧確保が求められています。

FAO(国際連合食糧農業機関)の予測では、2050年に90億人に増加する世界人口において、必要な食料を生産する為には現在より70%の生産性向上が必要であるとされています。

そんな中、注目されるのが農業分野での人工知能の活用なのです。

『プレンティ』は室内で野菜を生産する『インドア農業』を行うスタートアップです。生産性を向上させるた為の彼らの答えは、『縦に生産する事』。具体的には垂直に伸びた6mのポールに野菜を吊るし、垂直方向に並べて栽培するという手法を開発しました。

栽培には土や農薬を必要とせず、ポールには栄養分を含んだ水がゆっくり流され、根がそれを吸収する。光はLEDを使用して常時センサーにより栽培状況を監視。人工知能により最適な水と光の量を割り出します。これにより、必要な水の量を従来の水耕栽培比で99%削減する事に成功したのです。

この野菜を室内で生産するという手法は、日本でも一部行われていますが、電気代などコストが意外と掛かる為、採算性を確保するのは、かなりの困難を要します。事実、グーグルの親会社であるアルファベットも過去に事業撤退へと追い込まれました。

そんな中、近年の異常気象による野菜価格の高騰、食の安全への関心の高まり、LED価格の低下などが収益性の改善に役立ちました。

この農法では、都市部に近い場所で農作物を栽培できるメリットがあり、安心・安全な野菜を少ない輸送コスト・時間で届ける事が出来ます。あまり知られていない事ですが、野菜の価格の30~40%は運送費や貯蔵費が占めている、と言われているのです。

これを限りなくゼロに近づける事で販売価格を抑え、その上、店頭に並んだ際に長持ちする為、廃棄率の削減にも繋がります。

『プレンティ』は、現在はアメリカでのみ生産を行っていますが、アジアへの進出を計画しており中国と日本への展開を見込んでいます。

インドア農業は、今後年率25%の急成長が期待され、2022年には58億ドルに達すると予想されています。現在の所は採算性の問題から生産できる野菜の種類は限られており、課題はコスト削減だと言えます。

アプローチとしては、人工知能を使った水耕溶液の配合の改善と、自然エネルギーを使用した燃料コスト削減が急務だと言えるでしょう。

今回、ソフトバンク・ビジョンファンドから2億ドルの資金を調達出来た事により展開の幅が広がり、今後の発展が非常に楽しみなベンチャー企業と言えるのではないでしょうか。