中国では早くもドローン・デリバリーが実用化。

オムニチャネルの有効性が囁かれる中、課題となるのは物流です。そんな中、Amazonを含め多くの小売業が実験中の『ドローン・デリバリー』の実用化が中国で始まりました。

 

今回、ドローン・デリバリーを実用化したのはテンセント傘下の『超級物種』。この店舗は、早い話アリババのニューリテール型生鮮スーパー『フーマフレッシュ』をそのまま模倣したモデルです。

具体的には、難題と言われた生鮮食料品をECで取り扱う事を可能にしたモデルと言えます。

 

 

このスーパーの特徴は大きく2点挙げられます。

・スマホから注文をした商品を30分以内に配達。

スーパー内にある商品は全てスマホから注文可能で半径3キロ圏内で有れば30分以内に配達が可能です。また、店舗を訪問して購入した商品でも無料で配達してくれるので、重い荷物を持って帰る、という煩わしさから利用者を開放してくれるのです。

 

ECで生鮮食料品を取り扱う難しさは、流通工程全てに冷蔵設備を完備しなければならない点と、配送のスピードアップを実現しなければならない点にあります。

このシステムでは、実店舗を『物流拠点』として利用する事で、冷蔵車と店舗の冷蔵庫だけの投資で済む事と、利用者にとっては、実際に実物が店内にある為、鮮度などの品質に関しても安心して購入出来る、というメリットがあるのです。

 

・店舗内で売られている食材をその場で調理

店舗中央では、巨大な生け簀が配置され、それをその場で調理し店内で食べれるレストランスペースを完備しています。これは、精肉や野菜などを含め、店舗で売られて商品をその場で食べる事で、鮮度を確認、その後の購買に繋げる事が出来ます。

 

中国人にとって『食』とは、人生にとって非常に大きな価値を持っており誘店を促す強力な武器となっています。

 

今回、この生鮮食料品のデリバリーに関してアリババに先駆けてテンセントが『ドローン・デリバリー』を実用化した事は大きな意味を持ちます。

テンセントはアリババの手法を模倣する事で生鮮市場に参入しましたが、目新しさを演出する事が出来ず、後背を拝してきました。今回ドローンの採用により『配送スピードのアップ』という、明確な”ウリ”を手に入れる事が出来たのです。

 

この『ドローン・デリバリー』では利用者宅までドローンで配送するのでは無く、要所にドローンのターミナル駅を設け、そこにサポート・スタッフを配置します。ターミナル駅からは、それら配送員が配達を行う為、顧客は家に居ながら商品を受け取る事が出来るのです。

これにより、40~60%の配送時間が短縮でき、コストは半分にまで下げる事が可能になりました。商品は購入後10~20分で配達されるだけでなく、専用アプリから自分の商品が今どこまで来てるか?を確認する事ができ、利用者はその間の時間を有効に利用する事が出来ます

 

日本でAmazonなどで物を購入すると翌日に荷物が届きます。これでも非常に便利なのですが、その日は一日家に居なければならず、シャワーを浴びるのさえ躊躇してしまいます。

これが、注文して20分で届いたらどうでしょう?

もはや実店舗で購入するのと同じレベルで買えるはずです。まさに究極のオムニチャネルと言えますが、何気に素晴らしいのが、リアルタイムで荷物の現在地が把握出来る事です。

利用者にとっては、到着時間が把握出来て、その誤差が短ければ短い程、その価値は大きくなります。個人的には多少高くても到着時間が正確に分かれば、きっと買うと思います。

 

オムニチャネルの時代では、この時間の『速さ』と『正確性』が非常に価値を持ってきます。しかし、それを今までのように物流業者に丸投げする形では限界が来るのは明らかです。その時間の壁をテクノロジーとシステムで克服して行く、そこに新しいビジネスの芽が存在していると言えます。