アマゾンが4つ星以上の評価を付けた商品を揃える実店舗をオープン。

 現在、小売業の世界ではEコマースと実店舗を融合するオムニチャネルがトレンドとなっていますが、今回Amazonが新しいコンセプトの実店舗をニューヨークのソーホー地区に開店しました。

それは、Amazonの顧客評価で星を4つ以上獲得した商品だけを集めた店舗『Amazon 4-STAR』です。

Amazonによると、この店舗では家電やキッチン用品、日用品、玩具、書籍、ゲームなど様々な商品を取扱い、同社のカスタマーデビューで星4つ以上を獲得した商品や、新着商品、人気急上昇中の商品を厳選して販売するとの事。

Eコマースでは確固たる地位を築いた同社ですが、近年は『Amazonブック』『ホールフーズ・マーケット』『Amazon GO』など、続々と実店舗への進出を進めています。

すでに、Eコマースは主要プレーヤーが出揃い、飽和状態となりつつあります。その中で競争に勝ち残る為には、Eコマースでの『悪い体験』、つまり、商品の実物が確認出来ない、手元に届くまでに時間が掛かる、と言ったネガティブな要素をいかに排除出来るか?、という点が重要になってくるのです。

特に、この『時間』の要素は、物流の問題と合わせて社会問題にまで発展しており、早期の解決が求められています。

今回、新しく開店した『Amazon 4-STAR』は、取扱い商品の星評価の平均が4.4となっており2000点の品揃えを確保しています。

また、Amazonが保有する購買データから、店舗のあるニューヨークで売れている商品ばかりを集めたコーナーなども設置してあり、普段アプリではあまり表示されない商品を探す楽しみもあります。

Eコマースの弱点は、店舗で言う『目的来店』が消費者の主な購買行動となります。その為、それ自体に需要を喚起する役割は無く、ウィンドウショッピングのように、『思わぬ商品との出会い』というものが少ないと言えます。

その点、実店舗では買い物の『ワクワク感』『高揚感』を与える事が重要なのです。これを実現したのが『コストコ』であり、利用者が会員になる為にお金を払う、という前代未聞のビジネスモデルを作り上げたのでした。

そのコストコも、近年Eコマースへの進出を発表しました。

 今後、小売業はO2Oの垣根が無くなり、まさに戦国時代へと移行して行きます。その中で勝ち残れるのは消費者に『便利さ』と『ワクワク感』を与えられる事業者であり、その実現には人工知能などのテクノロジーの存在が不可欠になります。

 中国では、既に実店舗を作り、そこをEコマースの配送拠点として使うという、というビジネスモデルが一般化しつつあります。これは、今までの物流の概念すら変えつつあります。つまり、今までのような『郊外の拠点』を核としたシステムでは配送時間の短縮というミッションを実現できないのです。

その為、実店舗に分散して商品を配置する事で、利用者との物理的距離を短くする事を目指したのでした。

米中で顕在化しつつあるこの動きは、近い将来、日本にも訪れる事は間違いありません。これは、サプライチェーンを根本から揺るがす問題であり、その準備には多大な時間と労力を必要とします。

基本的には、物流を内製化出来る大手が有利な戦いを進めると予想されますが、自動運転車やドローンを使用した新事業が生まれる素地は十分存在します。

現在、ディープラーニングという手法により人工知能に新たな可能性が生まれた事で大きな変化の波が到来しつつあります。この事は、企業の新陳代謝を促進し、それに対応出来ない企業の淘汰が劇的に進行します。そして、最終的には『データ』を独占した企業の独り勝ち、という事態に行き着くのではないかと個人的には感じています。

そんな中、果たして日本企業が生き残れるのか?その事に非常に不安を感じずにはいられません。