オムニチャネルの課題が、『流通』にある事は明らかであるが、それ以前に考える必要があるのは『在庫管理』だ。
生鮮食品では今でも閉店間際になると売り切れてしまう商品も多く、これにEコマースからの注文も増えるとなると、厳格な在庫管理が必要になってくる。注文する度に商品が品切れになっていてはシステムは決して浸透しないのだ。
ただ、一方に於いて過剰在庫を抱えてしまうと、食品ロスが発生して、利益率も下がってしまう。この適正化こそがシステムのキモであり、人工知能などのテクノロジーとの親和性が高い分野でもある。
また、興味深いのが物流の部分に両社とも大きな投資を行い、内製化しようとしている点だ。
一見、アウトソーシングした方が安くつくように思うが、実は物流は情報の集積で効率化が可能だ。外部に任せると、この情報が社内に蓄積されない為、結果的に内製化した方が効率的だと言えるのだ。
Amazon vs ウォルマート、第三者的な視点で見ると非常に興味深い戦いだが、この潮流が近い将来日本にも到達する事は明らかだ。オンラインとオフラインの垣根は崩れ去り、嫌応無く同じ土俵に立たされることになる。
ただ、現実問題として実店舗を持つ側にアドバンテージは存在します。地理的に顧客との接点を持つという事は、Eコマース業者にとって容易い事ではありません。
その武器をいかに活用するか、その事こそが実店舗が生き残る為に必要な要素と言えるのだ。