ソフトバンクとトヨタが共同で新会社設立を発表。

トヨタ自動車とソフトバンクは、次世代モビリティの分野で連携し、共同で新会社を設立する事を発表しました。新会社名は『モネ・テクノロジーズ』で、ソフトバンクが50.25%、トヨタ自動車が49.75%を保有し、社長にはソフトバンクから宮川氏の選出が決まりました。
日本に於いて、時価総額1位のトヨタと2位のソフトバンクの連携は大きな話題となっています。

演壇に上がった2人の姿にはカメラのフラッシュが一斉にたかれました。
その2人とは、それぞれ、ソフトバンク・グループとトヨタ自動車のCEO、孫正義氏と豊田章夫氏でした。何とも豪華な2ショットですが、にこやかに握手を交わし写真に納まったのでした。

今回のこの提携は、トヨタ側からのアプローチで実現したそうで、コネクティッドカーの領域でハード面のトヨタ、ソフト面はソフトバンクとお互いの強みを組み合わせ、新しい価値を生み出そうとする取組みだと思います。

一見、意外な取り合わせのように感じましたが、トヨタが出資する米ライドシェアの『ウーバー』は、ソフトバンクが筆頭株主を務めており、同一線上に居た両社が出会ったのは当然の成り行きだったのかもしれません。

私事ではありますが、尊敬する経営者を挙げろ、と言われれば実はこのお二人を挙げておりました。正直これ程対照的な2人は居ないと思います。
一方は、叩き上げの起業家で、方や名門家の3代目です。ひたすら自分の勘と信念を信じて突き進む『個』の孫氏と、チームを重視し、滅私とも言える程『和』を尊ぶ豊田氏。

しかし、私にとってこの2人は『強さ』の象徴です。

孫さんは非常に分かりやすい強さで、まるでブルドーザーのように障壁をなぎ倒すような強さを持っています。それだけでなく、まだ社員が数名だった頃のヤフーや、アリババなどを発掘、さらには、まだ自社で携帯会社さえ持っていない時期にスティーブ・ジョブズ氏の元を訪れ、当時まだ公表もされていなかった『iPhone』の日本での独占権を獲得するなど、先見の明とスケールのデカさでは随一と言えます。

一方の豊田氏は、『親の七光り』みたいな印象を持つ方も多いと思いますが、現実はかなり掛け離れた存在です。
若い頃は『豊田』という名前の重さに苦しみ、そこから逃げるように海外の投資銀行でキャリアをスタートします。しかし、当時、既に世界的企業であった『トヨタ』の呪縛は、例え海外に逃げても彼を放しませんでした。
どうせ苦しむならトヨタの為に苦しめば…、と当時の上司に言われた言葉が、彼のトヨタ入社を決心させます。

しかし、当時トヨタ自動車社長の父からは『創業家の人間を部下にしたいと思う人間はトヨタには居ない。』と反対され、彼は創業家からは唯一自ら履歴書を送って入社試験を受け、入社を許されたのです。

無事トヨタに入社してからも彼は『アンタッチャブル』な存在で、彼に関わろうとする人間は稀でした。
組織の中でも冷遇され続けた彼に転機が訪れたのはリーマンショックでした。当時、トヨタは急激な拡大計画の途中で、世界中に過剰な設備を抱え初の赤字を計上しました。その翌年に火中の栗を拾う形で社長に祭り上げられたのが章夫氏だったのです。

その後も、アメリカでの大量リコールによる公聴会への召喚、東日本大震災、タイの洪水による生産の停止、急激な円高、そして、初の女性取締役に任命した人物の薬物逮捕問題など、歴代でこれ程の危機に直面した社長は類を見ません。

彼は、それらから逃げず正面から戦い続けました。当時、アメリカではトヨタ叩きが行われ、公聴会の様子は世界中に放送されたので覚えている方も多いと思います。
その際、当時アメリカトヨタの重役であったジム・プレス氏は会見で章夫氏の事をこう評しました。

創業家に対し反発する金儲け主義の人達に会社が数年前に乗っ取られた事に根本的原因はある。~中略~ 今までの幹部は顧客第一主義を維持する姿勢を持ち合わせていなかった。しかし、章夫氏は違う。

                    ジム・プレス氏

彼にそう言わしめたのは、問題発生後、全米のディーラーに飛び込みで訪問して、自らの信念を説いて廻った章夫氏の姿だったのです。

背負ってると言うより支えられてる。

                豊田章夫

これは、彼が大企業を率いる感想を聞かれた際の言葉です。

実は、彼は一度だけカメラの前で男泣きした事があります。それは、彼がリコール問題で問題の矛先に立たされた時に、全米のトヨタディーラーの代表が彼にある言葉を言った際でした。

『我々は100%あなたを支持します。』

この出来事は、日本でも大きな問題となりました。日本を代表する大企業のCEOがカメラの前で泣くなんて…。
実は、当時私もそう感じていたのですが、彼の事を知れば知るほど情の厚い、謙虚な人間という事が分かります。その人間臭さが彼の魅力なのです。

彼の凄い所は、自分が尊敬する人間や、為になる人間には進んで頭を下げ教えを乞う事が出来る点です。社長が自分の会社の部下に頭を下げる、という事は誰にでも出来る事ではありません。

自らを『超坊ちゃん』と言い切る彼には、自分の運命を受け入れ、腹を据えた男の凄みのような物を感じます。この私にとって尊敬して止まない2人が、この後、どのような展開に導くのか、それが楽しみでなりません。

と、気付けば人工知能とは全く関係ない話で終始してしまいました…。
あまりにも好きなお二人の連携で、少しテンションが上がってしまいました。ちなみに今は午前3時…。明日はちゃんとした記事書きますので、お許し下さい…。