Amazonに勝てるリアル店舗戦略とは?

近年、世界的な小売業の衰退を背景に、Eコマースに重要性が囁かれていますが、重要なポイントとして認識しなければならない点は、『Eコマースは決して新規需要を喚起しない!!』という点です。

すなわち、これは単に実際のお店で買っていた物をネットに付け替えているだけなのである。
その為、小売りのマーケットが大きくなっている、というよりは店舗からインターネットに、という流れでしかない、という点が見落とされている場合が多いのです。

日本は、中国はもちろん、欧米と比較しても小売業におけるEコマースの比率はせいぜい5%と、かなり低いマーケットシェアだと言えます。これには日本特有の事情が存在します。

日本では、コンビニやスーパーなどが、かなりメッシュの細かい店舗網を形成しています。その為、余程の過疎地にも行かない限り、数キロも走れば小売店が存在します。
そんな中、わざわざ(送料を払ってまで)Eコマースを利用するのは、近くに存在しない商品であったり、価格の問題に他なりません。

・リアル店舗の強み

巷では『Amazon脅威論』に代表されるようなEコマースの強みに関して、様々なメディアが、ある意味過剰に強調している部分があります。しかし、実際は小売りの世界でマジョリティを形成するのはリアル店舗でありあり、この関係が入れ替わるのにはかなりの年数が必要という事は共通認識だと言えます。

確かにEコマースは年々急成長をしており、ここ数年、大規模な小売業の倒産が目に付きます。この件に関しては以前の記事で書きましたので割愛しますが、大事な事は彼らのルール、即ち価格と効率性の下で戦うのであれば、彼らに勝つことは並大抵の事ではないという事です。
その為、まずは自分の強みをきちんと認識した上で戦う事が重要なのです

リアル店舗の強みとは、

  • ショッピングでの楽しさの提供。
  • 現物商品の展示による体感、確認。
  • 複数商品の比較が容易。
  • アフターサービス、サポートメニューの充実。
  • 販売員による接客と説明。
  • 在庫があれば持ち帰れる。
  • 配達、工事時の顧客宅訪問機会。
  • 想定外商品の発見機会の提供。
  • 連絡の取り易さ。

現在、Eコマースの業界では人工知能の技術を活用したビックデータでの解析が行われ、顧客に対し、より効果的な提案、品揃えをする事が可能になりつつあります。
対策としては、弱みを改善する事より、自らの強みを伸ばす取組みをするべきです。

品揃えが的確で便利さを与えてくれるコンビニは、確かに私たちの生活に欠かせない物になりましたが、そこでの買い物が消費者にとって『楽しい体験』とは言えません。そこにはワクワク感や意外性は存在せず無難な買い物に終始するのです。
即ち、
『便利さと買い物の楽しさ』というものは全く別の次元の話で、
人間を本当に満足させるのは便利さでは無く、楽しさなのです。

統計的に見て、ショッピングでは高額商品になるほど、ある種の高揚感や優越感、満足感が生じますが、これはネット通販よりリアル店舗の方が圧倒的に強いです。リアル店舗の生き残る道は、この感情を刺激する事が重要です。

顧客は商品そのものよりも、『購買体験』に価値を見出しているのです。それを上手く活用しているのが『コストコ』です。彼らは店内をまるでテーマパークのような感覚を顧客に与え、本来であれば苦痛なだけの日々の買い物に楽しさと言う概念を植え付けました。それにより客が利用に対して年会費を払う、という前代未聞のビジネスモデルを作り上げました。

躍進するEコマースと衰退するリアル店舗という概念は間違いです。
近年、急速な成長を続けてきたAmazonも業績が頭打ちになりつつあります。
大事なのは、自らが対抗軸を設定して、そのルールで戦う事。相手の土俵に乗ってはいけないのです。