Amazonの強さの秘訣は凄すぎる物流システムにある。

今やEコマースの代表格と言っても良い『Amazon』ですが、その強さの秘訣は全米に張り巡らされた物流網にあります。

全米150カ所以上に設置された物流センターには、最新の人工知能を駆使したロボット技術が導入され、毎日、自社で保有する40機もの貨物飛行機によって、絶え間なく荷物が流れ続けています。
Amazonは2013年以降、1日当たりの注文数を公表していないが、その時点でさえ平均で、160万個/1日、年間にすると6億800万個の注文数を誇ります。この数字から推定すると、現在では現在では300万個/1日以上の荷物を自社で処理しいていると予想され、その能力の高さに驚かされます。

今回は、その物流システムを支える基幹システムについて見て行きたいと思います、

まず、驚かされるのは、その巨大さだろう。

ワシントン州ケントにある同社の倉庫を例に見てみると、広さは約9ヘクタール。こう言われても全くイメージが湧かないと思うが平米に換算すると9万㎡。つまり90㎞×90㎞の敷地を有しているのです。ちなみに東京都の広さが約21万㎡なので、その半分近くの面積がある事になる。
重要なのは、これは全米に150カ所以上ある倉庫の1つに過ぎないという事だ。
Amazonは長年、巨額の売上を計上しながらも赤字決算を続けてきた。その理由は、これら流通システムの構築にあったのです。

一時期、Amazonの従業員に対する非人道的な労働環境が問題になったが、確かにこの広さだとトイレに行くのも一苦労だし、慣れない人だと自分が何処に居るのさえ分からなくなる。

この倉庫には、全長にして30㎞にも及ぶベルトコンベアーが配置してあり、1日22時間、年間363日絶え間なく荷物が動き続ける事になる。

以前は、この中を人間が行き来して荷物をピッキング、それをベルトコンベアーに流すという作業を行っていたが、ご覧いただく通り、この広さではかなり困難な作業になる。
その為、今では荷物の方が人間のところまでやって来る、というシステムに改善が行われている。その役割を担うのがロボットである。

注文が入ると、このオレンジのロボットが商品のある棚を見つけ出し、ピッキングをする人間の所まで届けてくれる。

地面には、QRコードが貼り付けてあり、ロボットはそれにより座標をチェックして、他のロボットとぶつからない様に届ける仕組みだ。駆動には搭載されたバッテリーが用いられ、充電が無くなりそうになると自ら充電場所に行くようにプログラミングされている。

Amazonが買収したベンチャー企業が開発したこのロボットは、倉庫でのコストの実に20%を削減し、今や無くてはならない存在と言える、

ピッキング係の人間は、目の前に映し出されるディスプレーの情報を基に商品をピッキング。その後、棚は自動で元の位置に帰って行く。

ピッキングされた荷物は、そのままベルトコンベアーで運ばれ梱包工程に運ばれる。
係の人間が荷物をスキャンして取り出すと、システムが必要な梱包箱のサイズを指定してくれる。

梱包箱は、考えうる全てのサイズが用意されており、梱包後は再びベルトコンベアーで発送工程に送られる。荷物の重量は自動で測られ、それに発送先のラベルを貼ってくれる。
このSLAMと呼ばれるシステムは、20年前に開発されたという。

まだ、創業数年という時期に現在の状況を予見していたベゾス氏の先見の明には、正直驚かずにはいられない

ここでは、現在3000人の人間が1日10時間、週4日間勤務のシフトで働いている。22時間稼働となると1度のシフトで1500人が働く計算になるが、東京都の約半分の面積の倉庫としては、かなり効率的な運用をされている事が分かる。

先日、Amazonは従業員の最低自給を15ドルに設定すると発表したが、週に3日も休みがある上に日本円に換算すると約30万円近くのの給与がある事になる。

羨ましいと感じる人居るかと思うが、現状を見る限り、この3000人が1年後、ここに居る保証はない。我々が考えている以上に流通の現場では自動化が進み、事実、中国では完全に無人の物流倉庫が誕生している

今後Eコマースの現場では益々、取扱荷量は増える一方で、配達までの時間の要求は厳しくなる。この相反する2つの要求を満たすのは一朝一夕には不可能である。
Amazonが創業当時から、この事に気付いていたのは明らかです。

現在、国内首位のシェアを持つと言われている楽天は、明らかに不利な状況へと追い込まれている。数年前から楽天市場単体の売上額の公表を止めたのも、業績に陰りが見えてきた事の表れと思われます。
国内全体の物流のキャパシティが限られている以上、その危機にいち早く気付き、対策を打ち出した者が有利にゲームを進められます。

今や、利用者にとって配達のスピードは、サービスの満足度を計る上で重要なファクターとなりました。
Amazonは、2017年だけで2.5兆円の巨額資金を研究開発費に投資した事が分かっています。この事は、彼らの将来的な地位を、より盤石な物としてしまうでしょう。

現状、北米地域で彼らに対抗出来るのはウォルマート位しか思い浮かびません。
果たして、数年後の小売業界の勢力図がどうなっているか、非常に興味深く見守って行きたいと思います。