『グローサラント』が世界的トレンドへ…。

今、世界の生鮮スーパーが続々と『グローサラント』の導入を進めています。
日本では、成城石井やイオンの一部店舗で導入されていますが、今後は増加して行くと思われます。

『グローサラント』とは、『グローサリー(食料品)』と『レストラン(飲食店)』を掛け合わした造語で、店内で販売している野菜・肉・鮮魚を店舗内のレストランスペースでその場で調理して食べる事の出来る施設の事を指します。

食べて気に入れば、その場で同じ材料を買う事が出来きます。
料理の材料をただ売るだけの業態から、実際の調理法までを含めた提案を行い、販売促進に繋げる一歩踏み込んだ『体験型スーパー』と言えるかもしれません。
Eコマース全盛時代において、店舗でしか出来ない体験を提供する事で、差別化を図る側面もあります。

『グローサラント』という形態は、最近Amazonにより買収されて話題になった米国の『ホールフーズ』が発祥となります。

オーガニック食品を中心に扱う同社が2016年にニューヨークに11店舗となる店舗を建設した際、2階の売り場の約半分の面積を使用して、イタリアンや寿司店をオープンしました。
食品の質にこだわる同社が、店内で販売する食材をその場で食べれるというコンセプトは、近隣に勤めるビジネスマンや観光客を呼び込み、結果的にそれが食品の販売促進へと繋がりました。

Eコマース台頭の時代に危機感を感じていた食品業界は、この成功を見て、一気に世界中に広がる事になります。

特に、『食』に多大なこだわりを持つ中国では、直ぐに受け入れられ急速に普及する事になります。
アリババ傘下の生鮮スーパー『盒馬鮮生』では、新鮮な海産物を生け簀に生きたまま設置し、その場で捌いて食べる、という手法が大好評となり、現在では同店の売りとなっている。
食の安全が問題となっている中国では新鮮をアピールする事で顧客に安心感を与えられる為が何より重要で、その課題にピッタリとフィットした施策だったのです。

小売業の衰退が囁かれる昨今、各社はどうやったら実店舗の強みをアピール出来るかを模索しています。実店舗の強みは『体験』というキーワードに集約できると思いますが、様々なアプローチから、それを目指す動きが出ています。

『Amazon脅威論』を始め、悲観的な意見も多数見られますが、個人的な感覚としては、『思ってる以上に店頭は強い』、と考えています。一方において、小売業に必要なのは、顧客をマスから個として捉える『意識改革』です。

人間が煩わしいと感じる人間関係は、マニュアル的だったり過剰な接客です。
例えば、スーパーでレジに並ぶと必ずお決まりのセリフで、『ポイントカードのご使用~~』という事を言われます。個人的には、それが煩わしくてセルフレジに行く事が多いのですが、そんな事より、笑顔で『こんにちは!!』って一言、言って貰った方が、コミュニケーションの意欲が湧きます。

今まで、小売業が追い求めてきた『効率化』という概念では、決してEコマースには勝てません。実店舗に必要なのは『人間性』であったり、『人とのふれ合い』だと思います。
馴染みの居酒屋のように行きたくなる店になる必要があると思います。そんな『コミュニティの場』としての店舗が今求められているのではないでしょうか。