中国では警察まで無人化!? 行政への導入が進む人工知能。

アリババ、テンセントといった企業を中心に、人工知能の導入が進む中国ですが、その流れは行政組織にまで及んでいます。今回は、テンセントと提携を行い業務に人工知能を導入した武漢公安局の事例を見て行きたいと思います。
昨年、武漢公安局はテンセントと提携を行い、武漢市の交通警察業務へのAI導入を発表しました。これに伴い、中国初の24時間営業無人警察署をオープンしたのでした。

この無人警察署では、新車の登録、交通違反の管理、罰金の支払い、点数の照会、自動車運転免許の交付・更新、運転免許試験など130もの業務の全工程を無人化しています。

運転免許試験を行うVR機能を活用したシュミレーター・システム。

・全ての申請や申し込みはスマホ・アプリを活用

この無人警察署では、テンセントが運営するアプリ内から、警察署のアプリを選択しユーザー情報を登録、最後に顔認証でログイン出来るように初期設定を行う。申請は全て自宅などからアプリで行えば良い。
これにより、今までは警察署に出向き膨大な申請書に記入した後、後日書類を受け取りに行く、という手間が必要無くなったのである。

実は、このシステムの導入により多くの作業が自宅で完結するようになった。例えば、運転免許を紛失した場合などでもアプリから申請。セキュリティは人工知能を活用した顔認証で可能なので、既に登録してある顔写真を貼った新しい運転免許が24時間以内に自宅に郵送されてくるのである。費用は当然、スマホで決済が終わっている為、振り込みなどの作業も必要無い。

・交通取り締まりも監視カメラを活用。

交通警察と言えば、違反車両の取り締まりも重要な業務の一つであるが、こちらは町中に張り巡らせた監視カメラが行う。

これには、人工知能が活用されている。まず、警察に登録されているナンバープレートのデータベースを基に、走行中のクルマのナンバープレート読み取る。後は、監視カメラの位置情報から速度を計測する。仮に、AとB地点にカメラを設置し、その間クルマで行くと5分掛かるとする。これをあるクルマが3分でその間を通過したとなると、違反した事になり、その時間から信号や交通状況などを加味して速度を逆算するのである。

この人工知能と監視カメラを併用した取締りシステムは、実はドバイでも活用されている。

このシステムの致命的欠陥は、違反者自身が違反したと言う認識を持てない事です。

仮にあなたが、日本でスピード違反をしたとして検挙されたら、その後は、速度に注意して走るはずです。しかし、違反した(検挙された)こと自体を気付かないドバイでは、各所でスピード違反を続け、後から通知で知らされるというパターンが往々に起きる。

今年の8月にも起こった出来事が世界中で話題になったが、ある旅行者がレンタカーでランボルギーニ社の『ウラカン』を借りてバカンスを楽しんでいた。広大な砂漠の中の1本道で、乗っているのはスーパーカー。誰だってやる事は同じだ。アクセルを踏んで、高性能車を堪能したくなるのは当然だと言える

彼にとって悲劇だったのは、この取締りシステムを知らなかった事。そう、しっかりと監視カメラに写ってたのだ。
結局、彼は420万円という莫大な罰金を科せられることになる。運転していた時間は僅か4時間…。彼は、この間126~230㎞でクルマを走らせ続けた。違反した回数は32回。多い所では、実に1分間に2回の違反を行っていた。

罰金の支払い書は、クルマの所有者であるレンタカー会社に届き、彼に電話で知らせられたが、結局、彼は行方を晦ましてしまった。だが、パスポートはレンタカー会社が押さえている為、出国は不可能で、高額車両のレンタカー代は毎日加算されていく。この25歳の青年がその後どうなったのはかは、報道されていないが悲劇としか言いようがない。

話が逸れたついでにお話しておくと、ドバイでは違反車は押収され、罰金の支払いと、かなり煩雑な手続きを行わないとクルマは返して貰えない。ドバイのお金持ちは、それを嫌い数億円もする高級車を、いとも簡単に捨ててしまう。その為、警察署の駐車場には、モーターショーが開ける位の高級車が大勢、埃を被って放置されている。

かなり本題と逸れた形になってしまいましたが、中国では既に行政の分野にまで人工知能が導入されています。果たして、日本で住民票や印鑑証明を、はたまた、免許の更新で1日を無駄に過ごさなくても済むまで何年の月日が必要でしょうか?
私達は、社会主義国家は非効率と無駄の象徴だと教えられてきました。その事は否定しませんが、その中国に大きく劣っている現在の日本を、どう捉えるのか?
今こそ、私達は真剣に考えないといけないと思うのです。