ネットに勝てる実店舗を作るには、何が必要か?

米国では、小売業の倒産や閉店が相次ぎ、『Amazon脅威論』が囁かれている。ただ、確実に言える事は、まだまだ実店舗は強い、という事。
今、実店舗に求められているのは、一人一人の顧客に合わせた応答性に優れた小売業だと言える。こう言うと、使い古された言葉に聞こえるが、実は、多くの人がその意味を正確には理解していないのである。

まず、小売店の衰退の背景にはネットでの買い物が増加の一途を辿ってきたことに有ります。ネットでは利用者は、欲しい商品に直ぐに到達できる反面、店舗での体験は、きわめて不自由で応答性が悪いと感じてしまうのです。
実際にある調査によると、欲しいものが見つからない/ 店員に聞けない時は、その場を去る、と答えた回答者が90%に登りました。つまり、買う意欲は有るのに、実際の購入に至ってない、『機会損失』が起こっているのです

・ネットに勝つ為に、小売店が今やるべき事。

・顧客と、欲しい商品を確実に結びつける。

Eコマースの顧客体験に対し、実店舗では、パーソライズされていない。どれだけ、個別対応が出来るかがカギとなる。

アメリカでは、この課題をアプリを使用して克服している小売業が存在する。
アメリカの小売業では、今や店専用のアプリの存在が当たり前になっているが、ある小売店は、このアプリのGPS機能を上手く利用して個別対応を行っている。顧客が店内に入ってくると、店員の端末に、その顧客の過去の購入履歴や商品が表示されるようになっているのだ。その情報から店員は、顧客の好みを理解して的確な提案を行う事が出来る。

顧客にしてみれば、店員が自分の存在と好みを覚えていてくれるように映り、『特別感』を植え付ける事が出来る。この感覚は、決してネットでは味わえない買い物体験と言えるのだ。

・店員の配置を最適化する。

『店員がなかなか来てくれない。』『長い列に並ばされる。』『向こうに手の空いている店員が居るのに…。』、このような不満は誰しも感じた事があるはずです。
場所毎に必要なスタッフの数をリアルタイムで把握して、最適な店舗を作り出す事が求められています。

・在庫管理の精度を高める。

店舗によって、大まかな位置情報で管理していた在庫情報。例えば、『工場から出荷』『トラックで配送中』と言った具合です。
今後は、『色やサイズは?』『店舗のどこにあるか?バックヤード?、どの棚の何番目か?』というレベルの在庫管理が求められる。そして、仮に自分の店に無いなら『他の系列店の在庫は?』というように、全社的に一元化した在庫管理が求められる。

具体的は、RFIDタグの活用などは、非常に有効だと言える。
このタグは、非接触型で、電波によりデータを読み書き出来る。それぞれの商品がサーバーと紐付けされており、天井に設置した読み取り装置により、リアルタイムで読み取る事が出来る。電池が不要な為、中国では無人コンビニなどで当たり前に活用されており、低コストの運用が可能なのです。

この小売業のパーソナライズとリアルタイム化の流れは、今後ますます加速すると思われます。
現在、73%の顧客が実店舗で商品を確認してから、ネットで購入する、というネットとリアルのシームレス化こそが今求められるのです。
現在の小売業のキーワードは『O2O』や『オムニチャンネル』という、いかに効率的に買い物が出来るか、そして、その為にテクノロジーを活用すると言う流れに有ります。IoTや人工知能の活用で、小売業はまだまだ顧客体験を高める事が出来るのです。