D&G事件の真相。一夜で全てを失った愚行とは?

 

まさに衝撃的な出来事だった。
わずか数時間で、まるでドミノが倒れるように全てが変わってしまったのである。

事の発端は、ドルチェ&ガッパーナが上海で行うはずだったショーのプロモーション動画が3本公開された事。その中の1本が、中国人が箸で無作法にピザを食べるシーンがある。ニュースでは、これが炎上のきっかけと報道されているが、実際に見てみると、侮辱と少したちの悪いジュークの中間くらいの印象を受ける。結局、この動画は、放映を中止される事になってしまう。

事態が最悪な物となる最大の出来事は、ドルガバデザイナーのステファノ・ガッパーナがインスタグラムでの友人とのやり取りがリークされたことに有ります。

それが、上の内容になります。かなり不適切な内容を含みますが、敢えて直訳しますと、こんな感じになります。

例の動画が中国国内で削除されたらしい。中国人は本当に愚かだ。今後はインタビューでも、クソと言っておく。私達は中国なんか無くてもやっていけるんだ!!汚いヤクザめ!!

親しい友人との個人的なやり取りという事で、かなり汚い言葉で辛辣な発言をしています。だが、何処からか内容がリークされ、それが拡散。まさに火に油を注ぐ結果になったのです。

ここからは急激に物事が進行します。

ドルガバのショーは毎回、多くの芸能人やインフルエンサーが招待されます。
まず、その発言を受けて、既に空港に到着していた当日のメインゲストの俳優が、怒ってその場で引き返してしまったのです。

これをキッカケに、当日のモデルやゲストが全員、ショーへの出演や招待をキャンセルする事を発表。そして、ドルガバのイメージキャラクターだった俳優が契約解除を発表。
最後にはアリババや京東などの大手Eコマースが、ドルガバの商品取り扱いを停止すると発表したのでした。

実に、問題のメールが拡散してから、僅か4時間程の間に全てが巻き起こったのでした。

更に問題は悪化します。

問題のドルガバのデザイナーが、アカウントをハッキングされた為で、あれは私が投稿したのでは無いと発表したのです

しかし、当然ですが『火消し』にはならず、逆に油を注いだのは言うまでもありません。これで、ドルガバは、中国市場を一瞬で失ってしまった訳です。

こうして見ると、ネット時代の恐ろしさを実感します。友達同士の他愛も無い会話が、企業の命運を左右してしまうのです。おまけに、これだけの事が1日で進行してしまう事に恐ろしさを感じます。
これは決して他人ごとではありません。特に、相手の文化や愛国心に触れるような発言は、十分過ぎる程の配慮が必要なのです。

今回、動画への批判の段階で適切な手を打っておけば、問題は直ぐに鎮静化していた筈です。それを失敗した事により、動画の内容がクローズアップされ、『箸文化』を持つ他のアジア諸国をも巻き込む可能性を与えてしまったのです。
危機管理という言葉は、やや使い古された感がありますが、SNS全盛の現代では、私達が思ってる以上に敏感になる必要があるのです。