アリババが掲げるニュー・マニュファクチュアとは?


2016年に『ニューリテール(新しい小売り)』を提唱したジャック・マー率いるアリババ集団は、短期間で小売業の在り方自体を変えてしまった。具体的には、オムニチャネルと流通を高次元で融合し
シームレスな買い物体験を実現したのである。

そして、2018年に彼が新たに掲げたのが『ニュー・マニュファクチュア(新しい製造業)』である。

これからの10-15年伝統的な製造業は激しい痛みを伴う。大量生産、大量消費のコンセプトに基づく製造業主導の伝統的な製造スタイルは駆逐され、消費者のニーズに基づくデータ駆動型の製造業が主流となる。5分間で2000個の衣服を製造するよりも、5分間で2,000種類の衣服を製造することがより重要視される時代に突入する。
           

                     ジャック・マー

らが取り組むのは、究極の多品種少量生産であり徹底した個対応を指す。

日本では、衣料ブランドであるZOZOが完全オーダーメイドの衣服の販売を行っているが、正直ZOZOスーツを着用しての計測など、まだまだ面倒な事も多い。
しかし、服を買う際にサイズを気にしなくて良いという事は、消費者にとっては、かなり良い買い物体験と言える。ZOZOの前澤社長も、この計測部分を人工知能で置き換える方針を示しているが、その精度を如何に高めて行けるかが課題になる。

アリババでは、既に自社のECサイト『タオバオ』で、B to Bのプラットフォームを構築している。タオバオに出店している事業者は、2万社の繊維工場が加入するプラットフォームで独自にデザインした洋服を100着から注文できる。そして、その作業の進捗状況をスマホからチェックする事が出来るのだ。

ジャック・マー氏は、このような取組みを全ての業界に持ち込もうとしているのである。そして、そこでカギとなるのは、

・人工知能
・ IoT
・クラウドコンピューティング
・モバイルアプリ

だと言える。
その為には、工場のスマート化が不可欠で以下の3点が重要視されるのである。

・IoTや人工知能を活用した工場自体のスマート化。
・工場とサプライチェーンのスマート結合。
・製造業と消費者の融合。

まだ、具体的な形は示されていないが、これにより小売業の位置付け自体が変わる可能性も秘めている。この事は、製造業のサービス業化を推し進める事になるからである。

孫正義氏が、人工知能の導入により全ての産業が再定義されると言うように、これからは過去の既成概念に囚われず、よりシンプルな思考が必要になってくるのかもしれない。そのベースになるのが、徹底した顧客主義であり、その為に如何にテクノロジーを活用するか、そう言った考え方が重要になってくるではないでしょうか。