アップル不買運動が拡大。前年比17%以上の急減に困惑。

『何で、ウチだけが…。』

ティム・クックは、こう言いたいに違いない。ファーウェイのCFO逮捕によるアップル製品の不買運動が中国で急拡大しているのだ。
当たり前だが、今回の事件に関し彼らは全く無関係で、一片の非も無い。
先日の記事でアップルの販売台数が頭打ちになってる現状について書いたが、世界最大のスマホ市場において17%以上の売り上げ減少は、大きな痛手ととしか言いようがない状況だ。

アップルにとっては、まさに『弱り目に祟り目』という状況であるが、タイミングとしては最悪だと言える。
何度も言うが今回の事件に関して、彼らは何も悪くない。しかし、中国ではアップルを名指しで批判し、従業員に対しアップル製品を買うと罰金を課す、という企業まで現れる程、異常な事態に発展している。

実際に、そこまでヒステリックな対応をする企業は少数派ではあるが、多くの企業がファーウェイのスマホ購入に対し20%前後~全額の補助金を出す、という取組みを行っており、今後は今まで以上の売上の減少が見込まれるのである。

ある調査会社が発表した、中国に於ける2018年第3四半期のスマホマーケットシェアを見てみると、この流れに乗りファーウェイの市場シェアは前年比14%の上昇を記録し14.5%、そして、ファーウェイのオンライン専用ブランドである『Honer』も14%の上昇し、マーケットシェアは12.2%。双方を合算したファーウェイの実質市場シェアは26.7%まで上昇した事になる。
この上昇分の割を食ったのがアップルで、前年対比で17%下落の、市場シェアは7.7%まで急減してしまったのである。

この状況を踏まえ、米国の投資銀行も2019年のアップルの業績を下方修正しており、その影響について不確実性が増しつつあると言える。

※ 『アップルは中国から出ていけ!!』というプラカードを持つ男性。

この問題は、中国人のナショナリズムを刺激してSNSを中心に急激な広がりを見せている。今はまだ『対岸の火事』で済むが、この米中の貿易摩擦の進行は、日本企業にとっても他人事ではあり得ない。

今のアメリカのトランプ旋風を見ていても、ここ数年、両国の理性を欠く行動は増えるばかりだ。これは、明らかに今までの問題と比べ根が深い。
米ソ冷戦の最盛期でさえ、トランプのような人間性を持つ候補者が、大統領になるなんてあり得ない事だった。しかし、今では彼を国民の半分が支持しているという現実を忘れてはならない。
彼の特徴として、短期間に意見が二転三転する事も多く、政治リスクは今後一層増す可能性が高い。関税などの問題を考慮すれば、企業にとって大規模な投資を行い難い環境と言える。

ナショナリズムに凝り固まった国民と衆愚政治、それに共産党による独裁政権の対立には、どこに落としどころを見つけるのかさえ分からない。
トランプは今も国境に建設する壁の予算数千億を通す為に、政府機関の閉鎖も辞さないと公言し、権力の乱用を続けている。
兎に角、今は感情論に囚われず正確な事実と証拠に基づいた話に立ち返る必要がある。そうでなければ、日本の経済自体が破綻しかねないのだ。

しかし、最近人間はどんどん愚かになっているような気がする。そう思うのは、私だけなのだろうか…。