市場がアップルの業績を不安視するのは、アジアでの不振が原因 !?

ある調査会社の調べによると、昨年の10-12月期のアップルの売り上げベースのシェアは51%。
2位のサムソンの15.7%に大きな差を付けていた。

世界初の時価総額1兆ドルという快挙を達成した同社であるが、最近は株価も低迷。ついには、マイクロソフト社に抜かれるに至ったのである。

その原因として挙げられるのは、主力商品である『iPhone』の低迷である。

2018年4-6月期における『iPhone』の販売台数は4130万台。
これは、前年対比で言うと、僅か1%の伸びにしか相当しない。その原因として挙げられるのが、中国を初めとしたアジア諸国での不調である。

もちろん、それには今回問題となったクアラルコム社との特許問題で、一部機種が販売停止になったことも多少は影響すると言えるが、最大の問題点は、もっと本質的な所にある。

・高くて”普通”の機種となったiPhone。

本質的な問題とは、シンプルに『高い』という点にある。

且つてのアップルは、『高いけど、高性能』というブランド価値を感じる事が出来た。
しかし、ファーウェイ、シャオミ、oppo、vivoという新興メーカーが、iPhoneの半額程の値段で、同等の性能の製品を発売する現在では、iPhoneは『高いけど、普通』というイメージに変化し、やがては『普通なのに、高い』というネガティブな印象を持つようになった。

中国人は本来、『メンツ』を非常に気にする国民性を持ち、見栄っ張りな面が存在する。
当初は、iPhoneを持つことがステイタスとされた風潮も、やがて変化する事になる。
それは、iPhoneが中国市場にアジャスト出来なかった事が原因だと言える。

中国人が好んで使うアプリは、大体決まっている。
それは、スマホ決済のアリペイ、メッセージ機能はWechat、ツイートのウェイボー、それに百度地図辺りは必須と言えるのだ。

中国の新興メーカーのスマホの場合、これらのアプリは初めからインストールされており、登録も一括して出来るようなシステムになっている。
しかし、iPhoneは全て自分でやらなければならないのだ。

それらの手間ももちろんだが、iPhoneにはアップル公式のアプリが大量にインストールされており、それを消すのは、かなり面倒だと言える。

 ・新興国には、高過ぎるiPhone。

在、世界で最もスマホが売れている市場は、中国であるが、2位は米国に変わってインドが世界第2位のスマホ市場となった。

そのインドの国内シェアを見て行こう。

上のグラフは、2017年のインドスマホ市場のシェア構成となっている。

ご覧頂ければ分かる通り、アップルは上位5社にすら入っていない。インドでのアップルのシェアは、僅か2.5%。サムソンとシャオミが強力な販売基盤を持っている。

同様に、タイ、インドネシアについて見てみてもアップルは名前さえ無く、その他に分類される。
つまり、これから伸びる市場に於いて、アップルは全くと言って良い程プレゼンスを確保出来ていないのだ。

その原因は、先に述べた価格もそうであるが、ローカライズが不十分という要素もある
例えば、インドではアップル地図アプリでは都市や道路の情報が殆ど無く、また言語への対応も不十分である。またインド特有の英語のアクセントへの品質の低さも問題になっている。

一方において、中国の新興メーカーは、電力供給が不安定なインド専用の特別な充電器を開発したりしながら、きめ細かな現地のニーズを汲み取っているのである。

結果的に、アジアでは日本を除く国ではまともに勝負が出来ていない状況だと言える。日本人は、ブランド信仰が強い国民性を持つが、正直、今のアップルはブランド力に頼り過ぎる帰来がある。
今後、ますます高価格化する戦略を推し進めるアップルが、どれだけ、その勢力を維持出来るのか、疑問を感じずにはいられない。

今後の世界戦略を考える上で、アジア市場は無視できない存在だ。そこで受け入れられない状況が続けば、継続的な成長は有り得ないのである。