今こそ日本人がジャック・マーから学ぶべき事 ③


ジャックにとって、もう一つの大きな転機は孫正義氏との出会いである。

彼は、当時の事を振り返ってこう言っている。

20分の面談で、孫氏から、いくら位資金が必要か聞かれた。
私が、20万ドルは必要だろう、と答えると、彼は200万ドル投資するから頑張って、と言って席を立ったんだ。私は訳が分からず呆然としていたのを覚えている。

                    ジャック・マー

ソフトバンク・グループの孫正義氏によるアリババへの投資は、その後も継続して続けられたが、その時に投資した2億円は、後に2兆円にもなって帰ってくる事になる。
この2人は、私にとって、まるで宇宙人のように映るが、他の人には見えない物が、2人には見えているという事なのだろう。

(後に、孫正義氏はこの時の様子を、このように回想してます。)

2014年9月19日。アリババは、2兆5000億円という、当時世界最大のIPOをアメリカのNY証券取引所で達成するのである。

・『クレージー・ジャック』と呼ばれて…

ヤフー・チャイナを数十億ドルで買収したり、いち早くB to Cビジネスに参入するなど、ジャック・マー氏の戦略は、欧米でもなかなか廻りの人間に理解されなかった。

TIME誌の表紙を飾った際のタイトルは『クレイジー・ジャック』。
まさにイカれた男と言われる程、突拍子も無い印象を与えた。

しかし、歴史は彼が正しい事を証明したのだ。

彼が目指したのは一貫している。それは『信用』である。
アリババは、多くの人が自分たちの作るプラットフォームで安心して商売が出来る『場』を与え続けてきたのです。

もし収益が100万ドルだったら、それはあなたが使っていいお金です。
もし2000万ドルあったら、ちょっとしたパニックに陥り始めます。インフレの心配をしたり、そのお金をどこに保管しようか考えたり。

そして100億ドルという大金が手元にあったなら、それはあなたのものではありません。それは、世の中の人々や社会からあなたに与えられた「信用」です。

人々があなたのビジネスに対して、政府なんかよりも頼りになる、あなたなら世の中を良くすることができると信じ、期待して投資してくれたものだから。

                       ジャック・マー

彼は、こう言って人々から『信用』で得たお金は、社会の為に使わなければならないと主張します。
その為、彼はアリババを辞め教育の場に戻り、次世代の人間を育てる資金源にするつもりだという事です。

彼の事業家としての引き際の見事さは、世界中を驚かせました。
僅か20年弱の年月でアリババを作り上げたばかりか、事業継承まで進めていたのです。
成功したビジネスマン程、その引き際は、難しいと言われています。その強烈なカリスマ性ゆえに後継者には並々ならぬプレッシャーが圧し掛かるからです。

今年の『独身の日』セールでは、アリババ1社で1日に3.5兆円もの売り上げを達成しました。このイベントの仕掛け人こそが、ジャック・マー氏の後継者であるダニエル・チャン氏です。

彼は、ジャック・マー氏とは、真逆の印象を受けますが、その精神は、きちんと継承されているという印象を受けます。
その精神こそが、ジャックが数々の失敗の中から見つけ出した物と言えるのです。

今こそ日本人がジャック・マーから学ぶべき事 ①

今こそ日本人がジャック・マーから学ぶべき事 ②