なぜ、中国では急速にEコマースが普及したのか?


中国では、ここ10年程で、急速にEコマースが普及しました。

下の表は世界のEコマースの市場規模と、小売業に対する割合を纏めたものです。

市場規模では、122兆円。EC比率に於いても断トツで中国の市場の優位性が見て取れます。
一方、我が国日本を見てみると、市場規模では世界4位と健闘していますが、小売業のEC比率は6%と、他国と比べても極端に低い事が見て取れます。

・中国では、インフラが無かったからEコマースが発展した。

では、なぜ中国では、これだけ短期間でEコマースが発展したのか?

それは、商業のインフラが整っていなかったからです。
中国がアメリカより早く成長したのは、アメリカのインフラが整い過ぎていたからだと言える。しかし、中国は違った。彼らには、それが必要だったのです。

そして、同時期に起きたスマートフォンの普及により、それらEコマースがインフラの中心になったのです。
日本は、アメリカ以上にコンビニに代表される小規模な商店が、メッシュ状に張り巡らされている。”わざわざ”ネットで買うより、近くのスーパーに行った方が早いのだ。

これは、電子決済についても同様で、日本ではATMがあらゆるところに存在して、偽札も少ない。不便を感じ難い土壌が存在する。
一方、中国は銀行口座を持っている人は、ほんの一部で、クレジットカード何て誰も持っていない。アリペイやWechatPayが普及した事は、ある意味必然だったのだ。

なぜなら、そこに不満や不便が存在する事が、新しいサービスを生み出す原動力となるからだ。

この事が、何を表しているのか、と言うと、日本は、このままでは、インドやアフリカ諸国にも抜かれる危険性があるという事。経済発展の可能性は、インフラの未整備と若者の数に比例すると言えるのだ。
この人々の『不満』と『若者のエネルギー』が組み合わさった時に『成長』は生まれる。

しかし、今までと違う点は『リープ。フロッグ』という現象を伴う点にある。
日本語で『カエル跳び』と訳される、この現象は、通常の段階を踏まずに、カエル跳びにシステムが発展する事を指す。中国では、PCや固定電話を飛び越してスマホが普及したし、クレジットカードが現れる前に、『QRコード決済』が拡がった。
つまりは、数周遅れだと思っていた相手が、いきなりショートカットして追い抜いていくという事が、十分あり得るのだ。

今の日本の状態は、まさにこれに当てはまる。

ネットを見ていると、未だに中国は、西欧の『猿真似』で、技術力は大したことは無い、というような意見が多く見られる。
掛けても良いが、これらの人は実際に中国に行った事も無いし、只々、ネット上から、自分の信じたい情報だけを抜き出して、事実が持つほんの一面を語っているのに過ぎない。

日本は、もっと危機感を持つ必要がある。
つい20年前までは、日本の『円』は強くて、日本円が有れば海外のどこに行っても物価の安さを実感できた。しかし、今は中国人が日本の物価の安さに『爆買い』をして行く時代なのだ。はっきり言って、この数年で、日本のプレゼンスは大きく下がっている。

今、日本人に必要なのは、外の世界を直視する事に他ならない。
ネットの発達によって、私達は家に居ながら多くの情報に触れられるようになった。そのことが、逆に情報の不確実を招いている。

トランプ現象を見れば分かるように、ネット上を探せば、どんな間違った意見や偏見を持ったとしても、それを擁護するような情報は容易に得る事が出来る。本来であれば、その情報を多方面から精査して、自分の頭で判断する事が求められるが、それをせず鵜呑みにする人間も多い。
であれば、尚更、自分の足で現地に行って、自分の目で見て判断する事の重要性が増してくるのである。内向きの目線では、決して『良質な不満』は生まれないのである。