オムニチャンネルは、なぜ必要なのか?

 

最近、何かと話題のAmazonが展開する『Amazon Go』。

日本では、『無人コンビニ』と形容される事が多いですが、それは、本質を表していません。実際には、この店舗では多くの人間が働いていますし、彼らが目指すのは、レジやお金のやり取りを無くすことで、接客や体験を向上させる事に他なりません。決して、省力化やコストカットでは無いのです。

この本質を見落とすと、店舗は只々、無機質で冷たい物となってしまうのです。

このレジを無くすという事は、利用者にとっては良い買い物体験と言えます。
レジに並ぶ必要も無いですし、煩わしさもありません。

しかし、店側にとって最大のメリットは、顧客の購買情報が得られる点にあります。正確には、顧客の個人情報と紐付いた購買情報です。
これからの小売業は、この情報を収集して、その情報を基に商品に落とし込んでいく事が求められます。そして、またそれを顧客が使って、また、それが情報になる。そのサイクルを作り出すというイメージが重要なのです。

オムニチャネルの目指すところは、個への対応です。

今までのサービスは、消費者をマスで捉え『全ての人の為に、良いサービスを提供する』事を目的としてきました。しかし、オムニチャネルでは、『あなたに合った最適のサービスを提供する』事が求められるのです。
そして、最終的には、それが利用者の『感情』に訴えかける事が重要なのです。

では、なぜ『感情』に訴えかける事が必要なのか?
それは、感情は記憶として顧客の心に残り続けるからです。

人々はあなたがしたこと、言ったことは忘れてしまう。だけど、あなたがどういう感情を与えたかは、人はずっと覚えている。

これは、ある詩人の言葉ですが、私はこれがサービスの本質だと考えています。

Amazon Goに代表されるオムニチャネルという概念は、そのテクノロジーの部分だけが強調され過ぎているように思います。
しかし、本質は顧客との繋がりを深め、好みを知り、最適なサービスを提供する事、つまりは、接客レベルの向上にあるのです。
その為には、機械に任せられるところは任して、人間はより深いレベルの接客を追求する。そして、顧客を、より理解するツールこそがテクノロジーであるべきだと思うのです。

顧客が実店舗に求めるのは、人間性であったり、何か感情に訴える要素な筈です。
それが、利便性と結合出来た時、顧客はロイヤリティを覚えるのです。

大事なのは、テクノロジーは手段であって、目的には成り得ないという事です。
技術は進化しても、人間の本質は変わる物ではありません。

その事を見失わない事が、何より大切だと思うのです。