進化するドローン技術。数年後には積載1トンの巨大機も登場か?

米中を中心に物流のラスト・ワンマイルにドローンを活用する動きが広まっている。

Amazonの『プライム・エア』、DHLの『パーセル・コプター』など米国でのドローンの試験運用は、日本でも良く報じられ、実用化は時間の問題と言われている。
中国でも、大手EC企業のJD.comや、スターバックスによるドローン配送が行われるなど、その技術は日進月歩で進化しているのだ。

そして、ここに来てドローン技術は新たなステップへと踏み出そうとしている。
それは、今まで『ラスト・ワンマイル』の小口での輸送がメインの業務であったのを、都市間などの長距離、高積載の巨大ドローンの開発に着手始めたのである。

写真の機体は、中国航天科技集団が、試験飛行に成功した『 CH-T4 』である。
この機は、翼に配されたソーラーパネルにより8つのプロペラを回転させ、地上2万メートルを時速200㎞で飛行する。
全長は40mにも及び、将来的には数カ月間、着陸無しの連続飛行を目指している。

また、北京航空航天大学発のベンチャー企業『 Beihang UAS 』が開発しているのは、機体の全長が11.9m、翼幅19.6mにも及ぶ固定翼ドローンだ。
その飛行距離は1500㎞、最大積載重量は1トン、トップスピードは400㎞に及ぶ。
計画では、今年中にプロトタイプを作製、2020年は試験運用を実施したいと考えている。
また、同社ではこれと並行して、最大積載量1.5トン、飛行距離2000㎞で、水上での着陸も可能な多目的ドローンの開発も進めている。

その他にも、中国の宅配企業『順豊』は、同国で初めての『無人飛行免許』を昨年取得している。同社は独自に開発した無人飛行機『 AT200 』は、飛行距離2000㎞で、最大積載量1.5トンの能力を有し、計画では物流拠点から、末端拠点への配送を担うことになる。

技術的には、まだ解決しなければならない課題も存在するが、将来の物流の無人化は、中国にとっては無くてはならない存在と言えるのである。

中国の年間の荷量は、400億個とも言われ、そのサービスの売上高は日本円にして8兆2000億円にも達する。しかし、最大の課題は人手不足である。
人口14億人と言われる中国では、その約半分が道路などの社会インフラが不十分な農村部に住んでいるのである。その為、空を利用した輸送手段は不可欠な状況で、尚且つ無人化は、最大の命題と言えるのである。

このような環境の中、中国は世界でも最先端のドローン技術を持つまでに成長した。
以前の記事でご紹介した有人ドローンも、1000回の飛行に成功し、ほぼ実用段階まで信頼性を高めているのだ。

今、先進国での共通の課題は、物流問題と言える。
Eコマースの成長や、各社のオムニチャネル戦略の進展により、物流のスピードが各社の生命線となりつつあるのだ。その一方に於いて、物流業界は慢性的な人手不足に悩んでおり、自動運転やドローンと言ったテクノロジーでの解決手段を模索しているのだ。

今後、益々増加する荷量に対応する為にドローンを活用すると言う流れは理に適っていると言える。特に、空での運行は気候などの気象条件に左右される為、視界が悪くても飛行できる無人化の恩恵は大きいと言える。
頭の上を無数のドローンが飛び交う状況は、正直気持ち良いものとは言えないが、きちんとした法整備と、何より安全性の担保が望まれると言える。