ピーターティールやテンセントが出資する銀行N26がアメリカ進出。

スマホなどを用いた決済の電子化が進む中、銀行は冬の時代を迎えようとしています。

その原因は、『銀行の機能は必要だが、銀行自体は必要無い。』時代が到来しようとしているからです。
欧州では、北欧を中心に電子決済が進み、様々な『モバイル専用銀行』が発足しています。これは、店舗を持たずスマートフォンを軸とした、利便性を追求した銀行を指します。

今回は、その中でも急成長を続けるデジタル銀行『 N26 』をご紹介したいと思います。

現在、欧州のミレミアム世代を中心に急激に口座数を伸ばしているのが、ドイツにある『 N26 』です。
既に24ヵ国で230万人に利用されている同社は、徹底的に利便性と低コストを実現し、口座開設もネットのみで数分で完結する仕組みを作り上げました。

・誰でも作れるクレジットカード

口座を開設すると、無料のクレジットカードが郵送されてきます。
これは、通常のクレジットカードとは異なり、デビットカード方式な為、審査などは必要無く学生でも簡単に作る事が出来るのです。

・世界中どこでも無料で現金が引き出せる。

このカードを使えばマスターカードの加盟店ならどこでも決済可能で、現金の引き出しも、世界中の同カード提携ATM出可能である。出金に関しては、月5回まで無料と言う制約はあるが、1回に付き最大29万円まで下ろせる為、不便を感じる事は無い。

・簡単にサブアカウント口座が作れる。

これは、画期的な機能と言えるが、口座は1つでもサブ口座を複数設定する事が出来る。つまり、口座内に貯蓄用・生活用・税金用など、用途別に口座を分ける事が可能で、口座間のお金のやり取りは、ドラッグ&ドロップで簡単に出来てしまう。

・家計簿機能

カードで決済したお金は、店によって自動でカテゴリー仕分けを行い、自動で家計簿を作成してくれる。これによって、何にどれだけお金を使ったのかが一目瞭然となる。

・格安の海外送金費用。

海外送金の際の、為替手数料が無料な上、振込手数料も0.5 – 0.8%と格安。

例えば、日本の都市銀行で5万円をドイツに送金する場合、合わせて6000円位の手数料が発生するが、N26では、400円で済んでしまうのだ。

・テンセントなどから3億ドルを調達し、米国に進出。

今回、同社は中国のテンセントや、PayPalの創業者であるピーター・ティール氏から3億ドルもの出資を受け、米国への進出を発表しました。
この調達額は、欧州のフィンテック企業としては過去最高額となり、その期待の大きさを表していると言えます。

日本に於いて銀行は、医療機関などと同様、テクノロジーの導入が遅れている分野だと言えます。

銀行では、ちょっとした手続きの変更も、口座開設支店でしか行う事が出来ず、未だに銀行印を目視で確認、通帳にプリンターで記帳を行います。
そして、窓口では長時間待たされ、役所のように大量の書類の提出を求められるのです。その上、窓口は一律に15時で終了し、週末は休み…。

これが、銀行の現実なのです。
確かに一部ネットバンキングは普及しましたが、戦後一貫して変わらぬシステムを採用してきたのです。

そして、ようやくこの硬直したシステムに変革の時期がやってきました。
2017年メガ3行は、総勢3.2万人にも及ぶリストラ計画を発表しました。中でも、みずほ銀行は全行員の1/4をリストラするという内容で、業界に激震が走ったのでした。
ただ、具体的なタイム・スケジュールは示されず、現実問題それが可能なのか、という意見も多く存在します。

日本の銀行は、まだまだ古い体質で、経営陣の高齢化が顕著な業界だと言えます。テクノロジーを理解しない経営者に変革は不可能と言え、早急な若返りが必要ではありますが、硬直的な組織がそれを妨げています。

決済事業に次々とIT企業が参入してくる中、現行の銀行は果たして生き残れるのでしょうか?まだまだ、危機感が足りない、そう感じずにはいられません。