店ごとデリバリーが未来の小売業!? 店舗が来てくれると言う新発想。

今では、ネットで様々な物が手に入る時代になった。

しかし、人はいつも買いたい物が決まっている訳じゃない。陳列されている商品を見て、買う物を決める事も多いのだ。

ならば、商品だけじゃなく店舗ごと顧客の下にデリバリーしてみよう、と言う発想から生まれたのが、『 Moby Mart 』だ。これは簡単に言うと、自動運転で動く移動型店舗だ。利用者は、スマホのアプリを利用して、自由に呼び出す事が出来る。

スマホアプリで会員登録をすると、店舗に入る事が出来る。
店内には、スタッフは存在せず、AIのバーチャル・アシスタントが接客を行うのだ。
彼女!? の役目は、レシピの提案や、在庫の無い商品の注文などを受け付けてくれる。
将来的には、ドローンを搭載して店舗を起点としたドローンによる配達業務も行う予定らしい。

買い物をする際は、スマホのアプリを使って行う。

欲しい商品があれば、アプリからバーコードをスキャンすれば、退店時には、自動で電子決済される仕組みだ。
この『スキャン&ゴー』という仕組みは、既に米中のスーパーなど、多くの小売店で採用されており、利用者は、レジの長い行列に並ばされると言う苦痛から解放してくれるのだ。

この『 Moby Mart 』は、スウェーデンの新興企業『 Wheelys 』と、中国の合肥工業大学が共同で開発し、現在は上海で試験運用がされている。
同スーパーは、自動運転による自律走行が可能で、在庫が無くなると、自動で拠点に戻り商品を補充する事が出来る。

収益モデルとしては、商品の売買だけでなく、店舗裏側に設置された400インチの巨大ディスプレーで企業広告を発信する事で、広告収入を得る事が出来るよう設計されている。

動力としては、ソーラーパネルを有しており、それで移動に伴う電力を賄えるようになっている。

このシステムが優れている点は、運用コストだ。

通常の店舗の1/10の費用(1100万円)で出店出来きてしまうのだ。
おまけに、無人で動力もソーラーを使用している為、1日当たりのランニングコストは、5500円程度で済んでしまう。

これは、過疎地など従来の形態では採算が取れなかった地域でも、十分な採算性が確保出来る事を意味している。

同様のコンセプトには、トヨタ自動車が提案している『 Eパレット』が存在する。
彼らも将来的には、人間が店に行くのではなく、店舗が人間のもとにやって来る未来を想像している。トヨタは、それをAmazonやUber、それにDiDiなどを巻き込んで構築しようとしているのだ。

まさに、究極のオムニチャネルの形と言えるが、ここまで便利になり過ぎると、人間が、どんどん自堕落になりそうで恐怖すら覚える。

効率とは素晴らしい物であるが、無駄な物から新たな発見や意味を見出すのが人間である。効率一辺倒の世の中には、何か味気なさを感じてしまうのは、私が古い人間だからであろうか?