中国ネット企業ランキング。バイドゥの低迷が明らかに。

 

長年、BATと呼ばれた中国インターネット企業の巨人、アリババ・テンセント・バイドゥであるが、直近のランキングで、3位のバイドゥが、アリババ傘下の金融子会社である、アント・フィナンシャルに抜かれ4位へと陥落した。.

Eコマースのアリババ、メッセージチャットのテンセント、そして、バイドゥは、検索エンジンを事業ドメインとして急成長してきました。
ただ、他の2社と比べ時価総額や売り上げに於いては、バイドゥは大きく離されており、もはや同列では比較できない程の差が生まれていると言えます。

・急成長するアント・フィナンシャル

アント・フィナンシャルは、アリババの金融関連子会社で、世界最大のモバイル決済プラットフォームである『アリペイ』と、世界最大のマネー・マーケット・ファンドである『余額宝』を運営。また、個人の信用スコアサービスである『芝麻信用』を展開している。

主力事業であるアリペイは、中国のモバイル決済市場で58%のシェアを有しており、それをベースとして消費者金融事業でも高い伸びを示している。その貸付金額は、中国建設銀行の3.7倍にも達しており、若者層を中心に拡大の一途を辿っているのだ。

このように、中国で盤石な地位を確立し急成長する同社にとっての、最大の不安要素は、国家による締め付けである。事実、若年層の借入金の増加は、社会問題化しつつあり、近い将来に規制の厳格化が成される公算が大きい。

そんな中、同社が活路を見出しているのが海外進出である。
既に同社は、M&Aを通じてアジア各国に積極的な展開を行っている。その国は、インド・パキスタン・バングラディシュ・タイ・フィリピン・マレーシアと広域に達しており、積極投資によりプレゼンスを高めつつあるのだ。

・猛追するバイトダンス社

4位に陥落したバイドゥを猛追しているのが、バイトダンス社だ。

バイトダンスと言う名を聞いた事が無い方も、『Tic Toc』という動画アプリの存在はご存知だろう。それに加え『今日頭条』というニュースアプリの運営が、同社の事業ドメインだ。
中国のIT企業の多くは、中国国内をメイン市場としており海外での売り上げは、さほど大きく無いのが通常だが、バイトダンス社は明確に海外市場をターゲットとした、新しいタイプの中国企業だ。

彼らの強みは、人工知能を活用したレコメンドだ。

このようなアプリでは、利用者の属性に合わせて様々な”おすすめ”動画やニュースを提示して行くが、その提案力が秀逸なのだ。

通常、このような提案は、同じカテゴリーやタグの物を提案するが、その中でバイトダンスは必ず、少し毛色の違う作品を提案してくる。それが、利用者を飽きささず利用を促進する役割を果たしている。

そして、同社の最大の強みは、多くのユニコーン企業が大幅な赤字を計上しているにも関わらず、既に年間8000億円もの利益を計上しており、マネタイズに成功している点にある。
この自社で成長の為の資金を賄える事は、景気などの外部環境に左右されず、着実な成長を可能にする。また、海外市場で強みを発揮する事で、中国の政治リスクから解放されるのだ。

国内市場が飽和し、安定期に入りつつある中国市場では、今まで以上に慎重な舵取りが要求される。

それは、ファーウェイに代表される欧米諸国の排斥運動の高まりは勿論、彼らは、国内政治の規制まで加味する必要がある。最近ではテンセントが、国家によるゲーム規制の影響で、大きく時価総額を落としたように、敵は外ばかりに居るとは言い切れない状況なのだ。
そんな中、国内偏重であった中国企業が世界、特にアジア地域への進出を挙って始めたのが特徴的と言える。今回のバイドゥの陥落は、そんな中国企業の状況を反映しているのかもしれないのだ。