苦戦するブルーエプロン。ミールキットが食品ECの突破口となるか?

主婦にとって、毎日の献立を考えるのは頭の痛い問題だ。
共働き世帯が増える中、そんな悩みを解消してくれるシステムが、ブルーエプロン社が始めた『ミール・キット』だ。彼らは毎週、新鮮な野菜や肉を調理の手引きと共に自宅に配達してくれるのだ。利用者は、これにより時間を掛けず、普段は作る事が無いような凝ったメニューを作れる仕組みだ。

このように彼らは、日々のメニューを考える苦痛から解放してくれるだけで無く、買い物の手間まで無くしてくれるのだ。米国では、食料品の買い出しに毎回クルマで数十キロの買い物を強いられる事も珍しく無く、このサービスは、開始以来急激に拡大して行く事になる。

米国での食品購入に充てられる金額は年間にして89兆円と言われており、このうちネット通販に占める割合は、僅か1%と言われている。

通常、鮮度が重要視される生鮮食品は、ネット通販との親和性が低く、莫大な市場規模を有しながらも、各社は有効な施策を打てないでいたのだ。
そんな中、このミールキットというアプローチは、急速に利用者の指示を獲得し、その会員規模は、一気に100万人を超え、年間8億ドルを売上げるまで成長したのである。

そんなブルーエプロンの成長に陰りが見えつつある。
その原因は、競合他社の増加である。そして、その中にはEコマース界の巨人であるAmazonや、欧州系のハローフレッシュなどが次々と参入。一気にレッドオーシャン化してしまったのである。
特に、サブスクリプション・モデルを採用するブルーエプロン社に対して、Amazonは、1回切りの注文が出来るシステムで、注文へのハードルを下げる事で攻勢を強めている。

増え続ける競合他社を抑える為、莫大な広告費を計上し続けた同社であるが、その費用と、初回のディスカウントが、収益に大きな負担となる。
それにより2017年の純損失は2.1億ドルに及び、広告宣伝費の削減を余儀なくされたのだ。その結果、顧客数は15%減の75万人にまで下げてしまった。

このミールキットと言う手法は、食品Eコマース市場を拡大する上で、非常に有効な手段だと言える。
利用者は、単に手間から解放されると言うだけで無く、非日常的な食事体験が経験出来る。ただ、一方に於いて手法が模倣され易く、差別化が難しいビジネス・モデルだと言えるのだ。

このようなサブスクリプション・モデルの成否は、利用者の好みに、どれだけ寄り添えるか、に掛かっていると言える。つまり、利用者の好みを正確に把握し、選ばずとも好みのメニューを提供出来るシステムを構築する必要があるのだ。
今後、急拡大すると言われている食品EC市場であるが、この残された巨大市場を巡る攻防は、益々激しくなる事が予想されます。そんな中、如何に利用者の情報を収集、解析して行くか、各社の取り組みに注目が集まります。