米中の肥満問題は、もはや安全保障を脅かす存在に…。

貿易戦争で、互いに争い合う米中。
しかし、掲げている政治思想は違えど、多くの共通点を持つ事も事実と言える。
現在、そんな彼らの共通の社会問題として、『肥満』の問題がある。

2016年、遂に中国が米国を抜いて世界最大肥満国となった。

英医学専門誌ランセットの調査によると、中国での肥満人口は8960万人。米国の8780万人を抜いてトップになったのだ。
勿論、人口が米国の4倍を抱える中国においては、肥満の度合いは米国ほど深刻ではない。しかし、1980年からの統計資料を見て行くと、国民の肥満割合は、20歳以上が11%から29.7%へ、20歳未満が5.7%から19%まで上昇、急激に肥満化している事が分かる。

一方、米国の状況は、かなり深刻と言える。

米疾病管理センターの調査では、国民の4割が肥満に相当し、BMI(体格指数)の平均値は、ほぼ肥満の域に達している、と言う驚くべき調査結果が公表されたのだ。
BMIの平均値は、男性で29.1、女性では29.6にまで上昇しており、それは年々上昇し続けている。

肥満の理由は、食生活と運動不足という面が大きい。
米国流のファストフードは、特に肥満と密接に関わっており、中国でも深刻な問題となりつつある。

・安全保障問題となりつつある肥満問題。

肥満問題は、既に個人の問題を超越している。

米国では、青少年の75%近くが、兵役不適格者になっっているのだ。実際には、これに犯罪歴や、大きなタトゥー、耳たぶに大きな穴をあけるイヤーゲージなどの流行により、採用基準に抵触する事で兵士不足が蔓延化しつつある。

行き過ぎた肥満は、必ず国を滅ぼしてしまう。
多くの病気は、食生活を含めた生活習慣に起因している事は、今や医学的にも証明されており、将来的に国の医療費増大を招く。また、肥満による労働人口の減少など、百害あって一利無しと言えるのだ。

この点に於いて、日本はかなり優秀だと言える。

肥満率は、米国の1/10程で、生活に障害を及ぼすほどの肥満は、ごく少数と言える。
米国のファストフード文化が、これだけ浸透してる中でのこの状況は、ある意味驚異的だと言えるが食文化と個人の意識の高さ、それに国土が狭い為に、歩く事が多い生活習慣を保っている点などが幸いしてると言える。

マッキンゼーによると、肥満による経済損失は、世界で220兆円にも及ぶ。
肥満人口の絶対数の多い中国では、そのダメージは甚大と言える。一人っ子政策により生まれた、歪な人口構成と急激な高齢化とも重なり、対応を誤ると大きな社会不安を呼び起こす事象と言えるので、その動向は注意して見守る必要があると言えます。