2019年最新ユニコーン企業ランキング。

米国の世界的調査会社であるCBinsight社が、最新の世界ユニコーンランキングを発表した。前回発表時からは、71社増加となり、合計数は310社となった。

今回、注目すべき点は米国企業の躍進だ。

発表された310社の内、実に151社が米国企業となっている。
一方に於いて、前回躍進した中国のシェアが、30%から26%へと減少しており、米中貿易摩擦での同国の苦悩が表れていると言える。

国別で見ると、1位の米国に続き中国、イギリス、インドと続き、5位は、ドイツと韓国が同数となっている。日本は、メルカリが上場した事により、長らくユニコーン企業不在の時代が続いたが、今回は、人工知能分野のプリファード・ネットワークスがランクイン、20億ドルの想定時価総額を付けている。

ユニコーンとは、言うまでも無く企業価値が10億ドルを超える非上場企業で、創業10年以内の企業を指す。正確な時価総額が存在する上場企業とは異なり、未上場という事で、その評価基準に於いては様々な方法が存在し、これらの評価が絶対的な物では無いという事を考慮に入れる必要がある。

具体的にランキングを見て行くと、目に付くのは長年首位の座に君臨したウーバーの陥落である。

世界中で躍進するライドシェア事業であるが、多くが年間数千億円もの赤字を計上しており、未だ有効なビジネスモデルを確立出来ないでいる。
これは、スタートアップに有りがちな事業拡大の為に投資が嵩むという状況では無く、シェアサイクル同様に、利用者が増えれば増える程、赤字額が拡大するというジレンマがある。その為、自動運転技術の確立時期如何によっては、資金が持たないという危険性を孕んでいると言える。


Uberに代わりに首位の座を射止めたのが中国のバイトダンス社である。

この社名をご存知無い方も、動画アプリの『 Tic Toc 』と言う名は聞いた事があると思います。この動画アプリと今日頭条というニュースアプリが、同社の主要な事業で、中国の企業では珍しく積極的に世界展開を進める企業と言えます。
同社の強みは、人工知能を用いたレコメンド機能にあり、既に前年比3倍にも及ぶ、年間8000億円もの利益を計上。収益性と将来性を両立する事で、BATの一角を切り崩す可能性すら秘めている。

その後は、見慣れた企業が続くが、異色な存在と言えるのが、5位にランクインした『JUUL Labs』だ。

上位の企業が人工知能を武器にしている中、同社の事業領域は、『電子タバコ』だ。
電子タバコとは、日本の『アイコス』などの加熱式タバコとは違い、葉を燃やさず、ニコチンの化学物質だけを抽出して、それにリキッドを加え加熱・吸引するタバコを指す。紙タバコと違い不純物を摂取しない事から、体への影響が相対的に少ないとされ、近年アメリカで人気となっているのだ。

同社は既に、米国で70%を超えるシェアを獲得しており、マルボロなどの大手も出資している。因みに、日本では電子タバコの使用は違法ではないが、売買は違法となっているので注意が必要。

今回、中国でアリペイなどを展開するアント・フィナンシャル社がランクインしていないが、これは社歴が長い為に除外されている。また、ラッキンコーヒーなど、ドルベース以外の資金を調達している企業も除外される傾向にある。

こうして見て行くと、日本企業の少なさがやはり気になってしまう。
このランキングは、単に個別の企業の業績では無く、マクロ経済や各国の経済的成長と深く結びついている先行指標と言えるからだ。

また、旺盛な投資熱によって支えられている、これらユニコーン企業であるが、今後訪れるであろう景気後退時に、その真価が試される事になる。
問題は、これら資金の『輸血』が止まってしまった時に生き残れるだけの準備が成されているか?、という点にある。
巨額の赤字を埋め合わせる事で企業価値を肥大化させる現状においては、その価値を正確に反映しているとは言えない。資金が集まり難い状況でも生き残れるだけの、筋肉質な体制を築く必要があると言える。