全米中がテキサスに注目!? なぜ企業や投資家はテキサスに向かうのか?

日本最大級の企業であるトヨタ自動車が主戦場とする北米市場。
近年、ここで大きな動きがあった。

50年以上カルフォルニア州に北米本社を置いていたトヨタ自動車が、テキサス州にその機能を移したのだ。それを皮切りに、建機製造大手のクボタがテキサス州ダラスに米国子会社の本社機能を移し、パナソニックもデジタル関連の拠点を同地に移転した。

多くの日本人にとって、テキサス州はカウボーイに代表される西部劇の世界だ。
しかし、一方に於いて、テキサス州ダラスはシリコンバレーを凌ぎ、雇用増加数では全米1位の座に君臨する地なのだ。
その成長率は、何と全米平均の3倍を上回る。

且つて、ジョンFケネディがパレード中に暗殺された事で、世界中にその名が知られたダラス市は、その暗い歴史を塗り替えるかのように、繁栄の一途を辿っている。

では、なぜ今テキサスが注目されるのか?
それは、その地理的特性に拠るところが大きいと言える。
アラスカ州に次ぐ全米2位の面積を持つテキサス州は、メキシコ湾に面した591㎞にも及ぶ広大な海岸線を有している。そして、そこには外国貿易高全米1位のヒューストン港を始め、大型の輸送船が着岸出来る港が11箇所も存在するのだ。

更に、テキサス州には11箇所もの空港(その内8か所は国際空港)も存在する。
その中でもダラス・フォートワース国際空港は、世界2位のハブ空港であり、航空業界世界最大手のアメリカン航空の拠点でもある。
この為、全米への日帰り出張も可能な上、海外へもアクセスし易い地の利を有している。

・テキサス州の税制上のメリット。

テキサス州について語る際に欠かせないのが石油の存在だ。

20世紀初めには、石油が採掘され、近年でもシェールガスの開発が進んでいる。その埋蔵量は巨大で、テキサス州を国としてみた場合、サウジアラビア、ロシアに次いで世界3位の産油国となる可能性すら秘めているのだ。

その天然資源に支えられたテキサス州の財政状態は、極めて良好な為、州の法人税と個人の所得税がゼロなのだ。

このような恵まれた環境にありながら、生活コストの安さはニューヨーク州やカルフォルニア州と比べ、生活費は60%、住居費は30%という水準を保っている。そして、この状況を背景にダラスのフォートワース都市圏では、高卒以上の学歴を有する人口の割合が、81.4%と全米でも非常に高い教育水準を持っているのだ。
このように、企業としては生活コストが安い為に、比較的低予算で高学歴の人材を確保出来る事が魅力だと言える。

Amazonがシリコンバレーを追われ、そしてニューヨーク市にも拒否された事は記憶に新しい。彼らにとって高騰し続けるエンジニアたちのサラリーは頭の痛い問題だが、その多くは尋常ならざる生活費の高さにある。
今や企業は、社員の生活費なども考慮しながら進出する地を探す必要がある。シリコンバレーは高過ぎる家賃と交通渋滞により機能不全に陥ろうとしているのだ。

その意味で、テキサス州は彼らにとっても魅力的に映る筈だ。
安い生活費と優秀な人材、それに税制上のメリットまで存在する。同地の繁栄は、もう暫く続く事は必然と言えるのだ。