配車大手Go-jekが30億ドルの調達を目指す。


現在、世界中で展開されているライドシェア事業ですが、インドネシアを中心にタイ、シンガポール、ベトナムと急速に発展しているのがGo-jek(ゴジェック)です。
現時点で既に10億米ドルを調達している同社ですが、今回の調達ラウンドでは、30億ドルを目指しているという情報があり、これは、競合のGrabの調達額に匹敵します。

交通インフラが未整備な東名アジアでは、現在でもバイクタクシーが重要な市民の足となっている。Go-jekは、このバイクタクシーのライドシェア事業を起源とした、ユニークな新興企業と言えます。

既にインドネシアでは、ゴジェックは生活に無くてはならないインフラとなるなど、急成長する同社ですが、その戦略に迫ってみたいと思います。

インドネシアでは、交通渋滞が蔓延化し移動にはストレスが付きものだ。
しかし、バイクタクシーを使うと渋滞の間をすり抜け、クルマの半分の時間で目的地に到着できる。その為、昔からバイクタクシーは重宝されていたのだが、ドライバーの最大の悩みは、1日の内の7割を占める客待ちの時間だった。

この話を聞いてGojekを創業したのは、僅か26歳の若者だった。
Gojek創業以前のバイクタクシーは、移動には便利であるが、料金などはドライバーと直接交渉して決める方式を取っており言葉の出来ない観光客には、ハードルの高い存在だった。また、現地の人間でも女性にとっては、知らない男性のバイクに乗る事は、抵抗を感じる物だったのだ。

しかし、専用アプリによって価格交渉の必要が無くなった事と、ドライバーを登録制にし、評価システムを確立した事で、安心して乗れるようになり徐々に市場が拡大して行った。

Gojekのユニークな点は、バイクだけでなく自動車のライドシェア、買い物代行、フードデリバリー、荷物の配達、そして、映画チケットの販売から、マッサージまで、様々なサービスが1つのアプリ上で依頼できる点にある。

このようにローカルな重要にきめ細かいサービスを提供する事は、UberやGrabと言った企業には不可能だ。地元に根差したGojekだからこそのサービスと言える。
さらに、バイクタクシーのライドシェアというコンセプトは、同じく交通渋滞に頭を悩ます中国やインドでも、一定の指示を得られると言えるのだ。

そのカバーする領域は多義に渡り、このアプリさえあれば、家から出る事無く生活出来ると言っても過言では無い。

その後、VCからの資金調達を行うと、同社はフィンテック分野の企業買収を立て続けに行う。インドネシアでは、クレジットカードの保有率が4%未満と、中国と似たような状況にある。その為に、スマホ決済の『Go-Pay』を導入。相乗効果により急速な広がりを見せたのだ。

これにより、人の移動とお金に関するビックデータが同社に集約された事は、今後のビジネス展開の自由度を大きく広げたものと言える。

日本では、まだあまり知られていない同社だが、この膨大な人口を抱えるインドネシアで既に確固たる地位を築いている。着実に周辺アジア諸国への進出と、ビジネス領域の多角化を進める同社は、インドネシアのアリババとなる可能性を秘めているのだ。その意味で、同社の動きは暫く注意して見守る必要があると言えるだろう。