みずほ銀行が日本の決済を変える!! Jコイン導入への覚悟。


現在、日本ではスマホを利用したQRコード決済市場に注目が集まっている。

ヤフー、LINEなど多くのIT企業が参入する中、その利便性と先進性ばかりが注目され、肝心の部分が見落とされている。

それが、決済コストだ。

まず、初めに明確にしておかなければならない点は、スマホ決済事業は儲からないという事だ。

実際に、スマホ決済が浸透している中国では、『アリペイ』と『Wechat Pay』が殆どの国民に浸透しているが、中国の人口ボリュームを持ってしても利益は出ていない。
その為、中国の1/10にも満たない人口で、更には多くのスマホ決済事業者が乱立する日本では、利益を出すのは到底不可能だ。

当サイトでは、既に何度も述べている様に、このスマホ決済事業の核心的部分は、このお金の流れから得られる情報(ビックデータ)と、付帯する金融サービスにある。

これらを、如何にお金に換えて行くか、という視点が必要なのだ。

・取組みが中途半端な参入各社。

PayPayによる100億円還元キャンペーンなど、各社がスマホ決済導入に向けての取組みを行っているが、結論から言うと不十分だ。それは冒頭に述べたように決済コストという問題の核心から逃げているからだ。

日本でクレジットカード決済が普及しなかったのは、事業者側が負担する3~5%の決済費用が原因だ。事業者に掛かる手数料は、当然だが商品価格に転嫁される。それを嫌った事業者が、クレカを許容しなかったのだ。

このクレジットカードから得られる収益は膨大で、多くの銀行はグループ内にクレジットカード子会社を有し、また多くのIT企業も、この金融事業に参入している。

結果的に、殆どのスマホ決済がクレジットカードに紐づいており、事実上、クレカがスマホに置き換わっただけという状況だ。

現在、中国や北欧と言った電子決済先進国に共通している点は、この決済手数料を1%以下に抑えている点だ。

一方、日本の事業者達は、このドル箱であるクレジットカード事業を手放したくない為に、相反する二兎を追っているのが現実だ。その為、現在のところ恒久的に決済手数料を1%以下に設定しているのは、メタップス社の関連子会社pringだけと言える。

クレカからスマホにガジェットが変わっただけで、電子決済が急激に普及するとは考えられない。
何より明確なメリットが必要なのだ。

・Jコイン導入で退路を断ったみずほ銀行。

そんな中、旧態依然の代表格である銀行業界から新たな波が起こった。
それが、みずほ銀行とゆうちょ銀行、それに60行の地銀が提携して導入した『Jコイン』だ。

Jコインについてご存知無い方に説明しておくと、これは、みずほ銀行が導入する一種の仮想通貨だ。
この仮想通貨は、日本円と1:1の価値を有する為に現金と同じように使用する事が出来る。技術面では、電子決済や仮想通貨に精通するメタップス社がサポートすると思われるが、銀行口座と紐づくデビットカード方式となる為、決済コストが安い。また、決済だけでは無く個人間の資金移動も無料で行う事が出来るのが特徴だ。

ご存知の通り、銀行は現金の移動を仲介する事で収益を上げている。
今回、みずほ銀行は敢えてそれを捨てる事で、利用者のメリットを上げボリュームを取りに行った。

つまり、彼らが目指すのは金融プラットフォームそのものなのだ。

また戦略的見て行くと、ゆうちょ・地方銀行を巻き込んだ事は大きな意味を持つ。
Eコマースで頻繁に利用される電子決済は、商業インフラが未成熟な地方都市でこそ真価を発揮するのだ。

今回のみずほ銀行の発表は、銀行が手数料では無く『情報を収益の柱』とする事への決意表明だと言える。その為に短期的な損失を覚悟の上で退路を断ったのだ。

一見不合理だと思えるこの判断も、長期的見た場合には同社の価値を高める物となる。
自社で金融プラットフォームを構築する事で、そこから得られるビックデータは勿論、それに付帯するローンや保険と言ったサービスが、莫大な収益をもたらす事はアリババの例が証明している。

さらに、金だけでなく『情報』という面で、取引企業をサポート出来るという面も大きいのだ
この事が、同社の比較優位性を高め、将来的には大きな収益をもたらすのである。