ハーバード大は、なぜ毎年1000億円以上の寄付金が得られるのか?


日本では考えられないが、米国の有名大学は、毎年1000億円以上の巨額の寄付金を獲得している。

あるデータによると、2018年度中に、全米の大学に寄付された現金の総計は、日本円にして約5兆2000億円にも及ぶのだ。一方に於いて、大学毎の格差も顕著で、その内の30%が上位20校にもたらされている、という現実がある。

全米の大学の首位に立ったのは、やはりハーバード大学で、驚く事にその額は1755億円にも及ぶ。
同校は、5年間に渡り寄付金集めキャンペーンを行ってきたが、目標額の65億ドルを遥かに凌ぐ96億ドルを集めてしまった。
ちなみに、それ以外の順位は以下の通りとなる。

1位:ハーバード大学:14億2000万ドル(約1577億円)
2位:スタンフォード大学:11億ドル(約1221億ドル)
3位:コロンビア大学:10億1000万ドル(約1122億円)
4位:カリフォルニア大学ロサンゼルス校:7億8665万ドル(約874億円)
5位:カリフォルニア大学サンフランシスコ校:7億3027万ドル(約811億円)
6位:ジョンズ・ホプキンズ大学:7億2360万ドル(約804億円)
7位:ペンシルベニア大学:7億1753万ドル(約797億円)
8位:ワシントン大学:7億1106万ドル(約790億円)
9位:南カリフォルニア大学:6億4997万ドル(約722億円)
10位:イェール大学:5億8595万ドル(約651億円)

これらの寄付金は、主に学校設備の拡充は勿論、付属の病院や美術館、それに研究機関に投じられる。寄付金の出所は、30%が基金から、26%が卒業生、18%が卒業生以外から寄付となる。また、企業や組織からも11%を占めている。

1636年に設立されたハーバード大学は、米国最古の大学であるばかりか、最もリッチな大学と言える。過去に公表された2014年6月時点で、大学基金には、364億ドル(約4兆円)もの現金が存在しているのだ。

では、なぜ米国の大学には、こんなにも寄付が集まるのだろうか?

・米国の寄付文化の存在。


米国人は、寄付が好きだ。

過去の総務省の調査では日本人の年間寄付額は2625円、対するアメリカは、非営利団体の調査によると、一世帯当たり年間19万円にも及ぶ。単純計算で、日本の50倍の額を寄付に当てているのだ。

日本では、社会に不条理な不平等が余り存在しないと言う認識と、それらは、政府の仕事だと言う意識が強い為と思われる。

・寄付は名誉な事、という意識。


米国では、人の名前を冠した建物が多く存在する。

社会で成功した人が、自己の名誉として寄贈する事が多い。

・レガシー・アドミッションの存在。


米国の大学には、レガシー・アドミッションという制度が存在する。

これは、卒業生や、その家族と言った関係性に基づく優遇制度だ。
アイビーリーグの大学では、入学者の10~30%の枠が割り当てられており、有力卒業生の子息に対する、一種の裏口入学の手段として機能している。

つまり、寄付と引き換えに入学資格を得る事になるのだ。

単なる教育機関である大学が、上場企業を凌ぐような収益力を持つことに驚かされます。

ただ、一方に於いて米国の大学の授業料は、年々高騰しており、以前の記事で書いたように、今や年間500万円を超える費用を取る大学まで存在します。その事が、米国社会の階層化を促進し、『持たざる者』は、大学を卒業する頃には数千万円と言う奨学金ローンを背負う事になる、という一面も決して無視出来ないのである。

この事が、社会の拝金主義的な考えを助長している事は否定出来ない。
教育・医療と言った機会の平等を担保する領域では、ある一定の政府の規制が必要でないのか、そう思わずにはいられないのだ。