ソフトバンク出資のONE WEBが遂に本格稼働開始。

 

2016年12月、孫正義氏が主導するソフトバンク・ビジョン・ファンドが、ONE WEBに10億ドルもの巨額の出資を行い、一躍筆頭株主に躍り出た。

それまで、日本では全く知られていなかった同社であるが、出資者には、エアバス・コカ・コーラ・クアルコム・ヴァージングループ等、錚々たる企業が名を連ねている。
彼らのミッションは、全世界にインターネットを普及させ、先進国と同等の教育とエンターテーメントを供給する事で、情報格差を無くす事だ。

現在、世界の人口が70億人と言われる中で、その内の半分がインターネットにアクセス出来ないでいる。ワン・ウェブの目指す世界を実現する為には、世界中に光ファイバーのケーブルを敷き詰めないといけないが、現実的に、それは不可能だ。そこで、地球を覆うように大量の衛星を打ち上げ、宇宙から電波を降らせることでインターネットに繋げようとしている。

一口に『大量』と言っても、それは簡単ではない。
従来の人工衛星は、巨大な上、手作りで生産される。最低必要数である700基もの衛星を打ち上げるには、時間もコストも掛かるのだ。

そこで同社が考えたのが、世界初の人工衛星専門の工場だ。
製造は出資者でもあるエアバス社が担当するが、世界初のオートメーション化された工場を作り上げたのだ。
そこでは、1週間で最大15基の人工衛星が製造でき、組み立てから仕上げ、試験までを一貫して行う事が出来る。

永らく連邦通信委員会(FCC)からの電波使用許可申請に時間を要していたが、無事に申請が許可された事で、先月27日に同社初となる人工衛星の打ち上げに成功した。
それにより、今後は総勢720基の人工衛星を順次打ち上げて行く事になる。

ワン・ウェブが、他社に先駆けて電波の使用許可を獲得した事は大きな意味がある。
それは、電波が使える範囲というのは、まさに土地のように限りがあり、早く承認を取った者が勝ち、というシビアな世界だからだ。

各社が、ここまでインターネットの普及に熱心なのは、先進国のEC市場が飽和しつつあることが挙げられる。その為、残りの半分の人口にネット環境を届ける事は、市場が倍増する事を意味する。
また、コカ・コーラのような製造業にとっても、広告媒体としてのネットの普及が自社の売上げに大きく影響するのだ。

スペースX、グーグル、フェースブック、アマゾンと、現在世界中の錚々たる企業が、先を争って宇宙に進出している。その訳は、以前の記事に書いたので割愛するが、そんな中、ワン・ウェブが本格的稼働を開始した事で、競争が激化するのは間違いなさそうだ。

また、過去に同事業はビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグらが検討後、コスト面で断念した経緯がある。その為には、いかにマネタイズして行くかが重要になって来る。
同社のこれからの動向を、興味を持って見守って行きたいと思う。