Amazonが生鮮食品市場で、更なる新店舗を開発。

2017年、Eコマースの巨人であるAmazonが、食品大手のホールフーズを1兆5000億円で買収すると発表した時は、業界に激震が走った。競合する食品スーパーの株価は大暴落し、遂に食品業界にも『Amazonエフェクト』が到来すると大騒ぎになったのだ。

それから1年以上の月日が流れ、業界に落ち着きが戻ってくると、危惧した程の影響が無かった事に彼らは気付き始める。
そう、Amazonは明らかに苦戦しているのだ。

スイスの大手銀行UBSの調査によると、Amazonのプライム会員の内、ホールフーズ・マーケットで少なくても月に1回以上買い物する人の割合は、昨年に比べ減少している。更に購入額に関しても、他社の食品ECサイトの1ヵ月当たりの購入額が200ドルに対し、Amazonは74ドルと大幅に下回っているのだ。

これは、Amazonにとって看過出来ない問題だ。
なぜなら、この事は単なる1つのセクターでの敗北、という以上の意味を持つからだ。

米国の食品市場は、年間90兆円とも言われる巨大市場だ。
その市場規模は勿論、食料品という性格上、購買の頻度が高く、それだけに様々な『ついで買い』が期待できる。
その上、人間は一番頻繁に使用するサイトに愛着やロイヤリティを感じるもので、このセクターを他社に取られる事は、Eコマース事業全体に影響を与えかねないのだ。

また、彼らの頭を悩ますのはインスタカートドアダッシュと言ったデリバリー企業の存在だ。

彼らは、Eコマースを導入するノウハウや資金の無い生鮮スーパーに対し、注文から決済、そしてデリバリーまでの全ての工程をパッケージングして提供する。
利用者にしてみれば、いつも利用するスーパーから商品をデリバリーしてくれることで、安心して買い物が出来る。

また、何気に重要なのデリバリーに掛かる時間だ。
留守の場合には玄関先に荷物を放置する事が当たり前のアメリカではあるが、やはり食料品となると心理的抵抗が大きい。そう言った際、インスタカート社の1時間以内の配達は、何とか待っていられる時間なのだ。

このような状況の中、Amazonは新たな一手を打ってきた。
それが、ホールフーズとは別ブランドの食品スパーの展開だ。

まだ詳細は発表されていないので、確実な事は言えないが、既存のスーパーを買収するのでは無く、一からブランドを立ち上げるようだ。スピードが重視される業界で、敢えて一から立ち上げるには、何か理由があると思うが、『Amazon Go』のように他にないテクノロジーを導入してくる可能性もある。

次々と新しいライバルが出現する中、Amazonと言えども安心出来る状況にはない。
特に、世界一の小売業であるウォルマートの追い上げは強烈で、Amazonの数倍のスピードで成長してきているのだ。

オムニチャネルと言うキーワードが小売業の世界を席巻する中、新しいテクノロジーが出現し、私達は新しい買い物体験への期待が高まっています。

このような日常の『補充』に該当する買い物は、少しでも楽をしたいと言うニーズが存在しながらも、いかに商品の質を担保するかと言う事が重要になってきます。ここに対し、テクノロジーを用いて不安を打ち消してあげる、という視点が大切と言えるのです。