老舗スーパー・ウェグマンズに見るリアル店舗の底力。

米国の調査会社ハリス・ポールが毎年恒例となっている『評判の良い企業TOP 100』の発表を今年も行った。この調査は、企業や団体の成長性、企業文化、倫理観などを調査項目としたアンケートを実施し、評判の良い・悪いを調査するものだ。今回の調査で昨年の覇者であるAmazonを抑えて、トップに立ったのが生鮮スーパーの『ウェグマンズ』だ。

日本では、『ウェグマンズ』の名を知る人は殆ど存在しない。
それもその筈で、このスーパーはニューヨーク州などで99店舗を展開する、ローカル・スーパーに過ぎないのだ。

しかし、ウェグマンズの歴史は古い。
創業は1916年、ニューヨークに開店した食料品店が起源となり、既に100年を超える。
当時から、その取組みは画期的で、この当時には既に300席のカフェテリアを店内に設けていた。現在、多くのスーパーで取り入れている『グローサラント』の謂わば先駆けと言えるのだ。

そればかりではない。
1940年に世界で初めて冷凍食品を取り扱ったのを皮切りに、店内加工の見える化や、焼きたてパンの販売など、現在世界中の生鮮スーパーが行っている事を、初めて取り入れたのがウェグマンズなのだ。

現在、同社が特に力を入れているのが食品売り場の中で、約半分の面積を占める総菜コーナーだ。最新の店舗では、数百種類にも及ぶ量り売りの総菜が並び、100mは有ろうかという広大なイートイン・スペースを有している。

その為、買い物では無く食事をする為だけに同店を訪れる顧客も多いのだ。

同店の基本戦略は、高付加価値商品・自然食品の品揃えと、ミール・ソリューション(食事の解決策)。商品価格帯は平均値より少々高よりめではあるが、ホールフーズと言ったオーガニック専門店と比べると3割位安い印象だ。

ただ、一方に於いて使用頻度の高い約50種類の食材に関しては、ウォルマートより安い価格設定にしているのが特徴だ。

そして、何よりウェグマンズが熱心に取り組んでいるのが人材への投資だ。

それは、6ヵ月にも及ぶ新人研修や奨学金制度、業界の中では高額な給与や寛大な健康保険・年金制度と多義に渡る。

また、店舗毎に裁量権が与えられており社員のアイデアは、本部を通さず店舗内で決裁出来る仕組みや、各自が関心のある部署への移動が従業員の希望次第で叶えられるシステムを採用する。
同社が、このように人材を大切にするのは、『顧客満足度を高める為には、まず従業員満足度を高めなくてはならない。』という経営理念がある為だ。

経済的合理性を重視する米国では、このような理念を持つ企業は少ないと言えるが、それは、同社が創業以来、一貫して同族経営に拘っている事が大きい。

つまり、『雇われ社長』では無いので、短期的な数字を追う必要がないのだ。

このような企業風土から、フォーチュン誌が毎年行っている『最も働き甲斐のある企業100社』には、20年間連続で選出されており近年は『レジェンド企業』として殿堂入りを果たしているのだ。
その為、同社の入社倍率は10倍を超える事も多く、米国全土から優秀な人材が集まるのだ。

では、最後に今回の調査で『最も評判が悪い』とされたワースト10を発表しておこう。

・10位 コムキャスト

・第9位 バンク・オブ・アメリカ

・第8位 ゴールドマン・サックス

・第7位 フェースブック

・第6位 デッシュ

・第5位 ウェルズ・ファーゴ

・第4位 シアーズ

・第3位 トランプ・オーガニゼーション

・第2位 フィリップモリス

・第1位 アメリ政府