さて、このまま両社の合併が頓挫した時、ソフトバンクGは大きな決断を迫られる事になる。つまりは、損失覚悟で手放すか、それとも単独で続けるか、という決断だ。
トランプ政権の合併への方針が明確になった以上、買い手を見つける事は骨の折れる作業だ。ただ、単独で続けるにしても日米両市場で数兆円にも及ぶ費用を負担する必要があり、現実的では無い。その上、ファーウェイやZTEの製品が使えない事で、更なる出費と時間を要する事になるのだ。
今回の事態は当然、孫社長は想定していただろう。
彼は一見無謀とも言える大胆な戦略を取りつつも、ある意味に於いて非常に抜け目ない老練な経営者だ。ただ、そんな彼をもってしても今回の決断は、非常に難しい経営判断だと言える。今後、同社がどのような方針と戦略を打ち出して行くか、注視していく必要がある。