Tic Tokユーザーが1年で倍に躍進。勢いを増すバイトダンス社。


2019年7月に中国のバイトダンス社が発表したデータによると、今年7月までのTic TokのDAU (ダイアリー・アクティブ・ユーザー)は、3.2億人を突破したようだ。

これによりTic Tokを運営するバイトダンス社の売上高は、上半期だけで7700億円を上回るまでに急成長を遂げた。


日本では、Tic Tokという動画アプリは、若年層を中心によく知られているが、それを運営しているバイトダンス社は、殆ど知られていない。
彼らの主要サービスは、上記の動画アプリと、今日頭条というニュースアプリだ。Tic Tokの世界的な成功ばかりに目が行ってしまうが、7700億円の売上に占めるTic Tokの売上は3200億円に過ぎず、残りの4500億円は、今日頭条を始めとしたサービスにより売上ている事が分かる。

既に企業価値は、日本円にして22兆円にも及ぶと言われており、2019年の売り上げ目標は1.6兆円を見込んでいる。動画とニュースという一見関連の薄い分野での事業領域に感じるが、彼らの最大の武器は、人工知能を用いたレコメンド技術だ。
レコメンド機能とは、コンテンツを見た場合に表示される、関連コンテンツの事を指す。You Tubeなどを見ていると、関連動画などが表示されると思うが、その選択が絶妙なのだ。彼らは、その選定に人工知能を用いて、非常に効果的なコンテンツを表示させる技術を有している。


同社は2012年に、Zhang Yiming氏と言う35歳の若者により創業された。

大学でソフトウェア工学を学んだ彼は、一時はマイクロソフト社に勤務するが、直ぐに退社し、様々なスタートアップの立ち上げや経営に従事して行く。中国にスマートフォンの波が押し寄せる中、検索大手のバイドゥが検索結果と関連性の薄い広告を表示している事に目を付けた同氏は、その課題を人工知能により解決する研究を始めたのでした。


同氏が開拓したショート・ムービーという市場は、現在、世界的な成長を遂げている。
Tic Tokを見慣れたユーザーは、僅か数十秒の動画をスワイプしながら次々と見て行く体験に慣れてしまうと、YouTubeに代表される数十分の動画に退屈してしまう。無駄な挨拶や、広告表示の為に無理やり長く編成された動画に、耐えられなくなってしまうのだ。

日本では、Tic Tokはダンス・アプリという位置付けだが、本場の中国では、グルメやコスメ、ファッション、ユーモアと非常に裾野の広い媒体として機能している。

現在、バイトダンス社が全てのサービスのDAUは7億人にも達している。
これは、世界最大のアプリと言われているWechatの10億人に肉薄する数字だ。

且つて、Tictokはテンセントが運営するWechatのミニプログラムとしてサービスを開始したが、そのあまりの人気により、テンセントは同アプリをWechatから締め出したという経緯がある。その為、バイトダンスはテンセントに対し、多大な対抗心を燃やしており、打倒テンセントの為にアリババの資金を一部受け入れるにまで至った。

既に2本の大ヒットアプリを輩出している同社にとって、『第3の矢』の存在は、テンセントに対抗して行くうえで不可欠だと言える。
ただ、コミュニケーション領域では、中国の政治リスクは決して無視出来ない。既に同社が4月にリリースしたジョーク共有アプリでは、下品で不適切なコンテンツが存在するとされ、政府より永久閉鎖の要請を受けている。このようなリスクを踏まえると、やはり同社の発展のカギとなるのは海外市場だ。
既に日本や米国で成功を収めている中、更なるヒット・サービスを提供出来るか、その事が非常に重要だと言えるのだ.